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「完了。」
「めっちゃ丁寧…。」
「当たり前だ。
…よし、んじゃ今から説教タイムだな。」
「え??」
まじ??
嫌な予感がして、たらりと冷汗を流しながら顔を上げれば、そこには青筋浮かべていつもの鬼教師モードの土方先生が。
え、嘘でしょ。
切り替えの早さよ…。
「なんで大人しく近藤さんに連いてきてもらわなかったんだ?」
「え…ええっと、一人でも、大丈夫かなぁって。」
「全っ然、大丈夫じゃねぇだろうが!こんな目にあって!
無防備すぎなんだよ!おまえはっ!」
「ご、ごめんなさいぃい!」
言い返す言葉もございません。
土方先生が来てくれなかったら、私、本当に…。
考えたら、また体が震えてきた。
指先が凍るように冷たくなるのも感じる。
「怖かった…。」
「…!」
いつのまにか我慢してた涙が溢れてきて…
人前で泣いたのなんて、いつぶりだろう。
恥ずかしくて、先生の顔も見れなくて、俯きながらゴシゴシと必死に瞼を擦ってたら、ふわっと、土方先生のいい匂いがして。
気づいたら、土方先生の両手に顔を包まれていた。
「なんだよ…今日はやけに素直じゃねぇか。」
「ふえ…。」
「怒る気無くすだろうが。」
そのまま顔を上げさせられ、先生が優しく、私の前髪をかきあげて涙を拭った。
「ぶは、なんつー顔だよ。」
「ひ、ひど!」
「アホ面。」
私の泣き顔をみてケラケラと笑う土方先生。
ムカつくはずなのに、先生の笑った顔を見たらなんでか、心が落ち着いてきた気がした。
「まぁつまり…一人で何でもかんでもやろうとするなってことだ。」
「…え、」
「俺は…、俺らは、おまえの先生なんだから。頼っていいんだよ。つーか頼れ。」
ガシガシと少し乱暴に頭を撫でられる。
「ぎゃー、髪の毛ぐしゃぐしゃになるうぇえ!」
なーんて、やっぱり可愛げない一言を言ってしまうけど、
私はこの時、少しだけ…
土方先生の温かくて、大きい掌に、ちょっとドキドキしていた。
−−−
−−
「つーかA、明日は寝坊すんなよ。」
「先生も朝からニコチンは控えてくださいね。」
「うるせぇ、ほっとけ。」
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ばりお。 - ぎゃぁぁあ!!!!土方さんカッコよすぎる。私得だ…( ´∀`) (2019年8月1日 22時) (レス) id: 1a062a0ebf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:メイ | 作成日時:2019年3月20日 15時