5 お隣の ページ5
「ではここはいかがですか？」
電車で揺られた後、職場からなるべく遠くない近辺で新居先を探して三つ目の内見になった。一つ目は川や山が近いことで土砂崩れする恐れがあり、却下。二つ目は壁の薄さやエアコンなどの古びた感じが気になってしまい、三つ目の候補に突入している。
「わ、綺麗、家賃も安いしここにしようかな…。」
「そんなに新しくはないんですけど、最近簡単なリフォームもしたばかりなので、衛生面などで気になるところはとくにないと思います！」
不動産屋の女性社員に連れてきてもらった三つ目の物件は家賃の割りにしては中々綺麗で、防音かなり効くよう、全く文句が見つからないような家だった。
「六部屋しか無いんですけど、２部屋丁度空いていてしかも二階なので、女性の方でもあながち安心かと思います！」
そう言って笑顔で接してくれる女性社員の方に相槌を打ちながら、念の為隅々まで部屋を確認しているとスマホからラインの通知音がなる、「すみません」と一声掛けてラインを見るとshuの文字があって、少し緊張した。
shu無事でなによりです。
shuお礼なんて…と言いたい所ですが、もしお時間があればご飯でもどうですか?
そのあとに、なんとも微妙な表情をした猫のスタンプが後付けされて、そのスタンプが気になって見てみると制作者の欄にshu3と書いてあって、「えっ自作なの？」と少し動揺して、あんな紳士的な男性が頑張ってラインスタンプなんて作ってると思うと自然と笑顔になってしまった。
shu下心はないです。
後付けしたように送られてきたラインにも、女性に対する不慣れ感が垣間見えて、小さく声に出して笑ってしまった。つい今が内見中ということを忘れてスマホを見てしまっていたので、休日はほぼ仕事が休みということをshuさんにラインで返した。
「すみません、じゃあここに決めます！」
「かしこまりました！」
スマホをポケットにしまって、不動産会社の方に戻り書類申請などをするために新居先から家を出るとタイミングよく隣のドアも同時に開いて、そこには気だるそうに立つ細身の男性がゴミ袋をもって私と目があった。
「あ！こんにちは〜藤山さん」
女性社員がその男性に声を掛ける、藤山さんというらしい。
「あ、はじめまして…。佐倉といいます。」
「…どうも…。」
すぐ入居するといったものの勢い余って挨拶すると無愛想に藤山さんはゴミ袋を持ってゴミ捨て場に向かっていった。
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lllsaitoulll(プロフ) - かびさん» ありがとうございます！ペース遅めですがよけえば楽しんでいってください！ (2020年6月9日 1時) (
レス) id: 9c4d7f9ca9 (このIDを非表示/違反報告)
かび - 楽しませて貰ってます！更新待ってまーす！ (2020年6月8日 12時) (レス) id: a6577ee058 (このIDを非表示/違反報告)
lllsaitoulll(プロフ) - キアンさん» コメントありがとうございます(^O^)がんばります！ (2020年6月6日 1時) (レス) id: 9c4d7f9ca9 (このIDを非表示/違反報告)
キアン(プロフ) - おわ〜展開が気になります！更新頑張ってください！ヾ(≧∀≦*)ﾉ〃 (2020年6月5日 7時) (レス) id: dc2584af8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：斉藤 | 作成日時：2020年6月2日 1時
