第109話【ndaho side】 ページ9
梅雨に差し掛かった六月。
土手チームは今日も遊びに行くらしく、最近は野球部が忙しくて参加出来ずに居た。
俺が皆と遊んだのは数回しか無くて、ダーマやマサイ、ちゅんに至っては今まで話した事も無かったからまだ薄い壁がある。
一緒に居て楽しいのは確かなんだけど。
ンダホ「モトキ今日はどうすんの?」
モトキ「俺今日は空手あるから遊べないなぁ…ンダホは?」
ンダホ「俺は部活」
モトキ「最近忙しそうだね」
ンダホ「今週末に練習試合あるんだよね」
モトキ「わー、大変だ。応援行こうか?」
ンダホ「いいよ来なくて。練習だし」
モトキの言葉に思わず嬉しくて笑ってしまった。
部活の時間まで少し話していると、廊下から知った声が聞こえてきた。
またあいつらか、と覗いてみると案の定シルク達で。
モトキが「騒ぎ過ぎ」と叱るのを面白可笑しく遠くから見守っていた。
「楽しそうだよね」
ンダホ「え?」
「ね?」
ンダホ「あ、うん…そうだね」
いつの間にか隣に立っていたシルクと同じクラスの娘。
小学校の頃から密かに気になっていた娘だった。
その娘は巫山戯合うシルク達を見て愛おしそうに静かに笑っていた。
モトキ「ねぇ、ちょっとンダホ!ンダホもシルク達止めて!」
ンダホ「えっ、う、うん!」
廊下で鬼ごっこを始めるシルク達を止めるべく、モトキの元へ行く。
その娘から離れる時にふわりと甘い匂いが香って、少しドキッとした。
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作者名:憐 | 作成日時:2018年6月14日 12時