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第135話【silk side】 ページ35

3月1日。
愈々この日がやってきた。
特別行事の時にしかしてこなかったちゃんとした制服の着方に未だに慣れずに、少しだけ早めに家を出た。
何時もの通学路が静かで、寂しさもあり、不思議な感覚。


『おはよう、シルク』

シルク「うっす」

『早いな今日は』

シルク「今日ぐらいはな」

『ンダホちゃんと起きれたかなー』


どうでもいい会話をしながら、学校へ到着。
珍しく他の皆も既に揃っていた。


モトキ「あ、おはよー」

シルク「おはよう、早いな」

モトキ「流石に寝れなくてねー、ソワソワしちゃってさ」

シルク「遠足前の小学生か」


各自教室に入り、担任の話を聞いて卒業アルバムを配られた。
それに騒ぎながら、ゆっくりと式の時間を待つ。
黒板に書かれたクラス全員の名前、メッセージ、それらをもう一度目に焼き付ける。


「『「「シルク!」」』」

シルク「あれ、お前らどしたん」

ザカオ「教室抜け出してきた!」

ンダホ「ねぇねぇ、ベタにメッセージ書いてよ!」

シルク「書く事ねぇよ」

ンダホ「何でも良いから!」


アルバムの最後の空白のページに各々メッセージを書いた。
普段絡まなかった奴もやって来て書いてもらう。
変な絵だったり、ただの悪口だったり、皆の色が刻まれるように。


シルク「なぁ、ザカ。アデューって何?」

ザカオ「ん?フランス辺りの別れの言葉。永遠の別れとか、また会おうねって意味」

シルク「へぇ、つか何でまたフランス語」

ザカオ「かっこよくね?」

シルク「知らねぇよ」

ンダホ「アデューか、いいね!」

『俺ちょっとトイレ行ってくるわ!アデュー!』

シルク「使い方は合ってっけど、違う、そうじゃない」


アホだなこいつらは。
最後の最後まで。

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作者名: | 作成日時:2018年6月14日 12時

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