第131話【silk side】 ページ31
シルク「Aの大会観に行く?」
モトキ「うん、ていうかちゅんに限らず皆の最後の大会観に行こうかなって」
シルク「あー…まぁ、予定ないなら良いけど。何でまた急に」
モトキ「皆部活頑張ってたじゃん、シルクだってキャプテンでしょ?ンダホもちゅんもぺけもエースだし」
マサイ「偶にはお前らの違う顔も見たいしな」
シルク「んで?俺等より先にある陸上部の大会に皆で行くと」
モトキ「そう!」
なるほど、確かに他の奴等の部活中の姿なんて見た事ないな。
陸上部は結構この辺の学校では強豪に入るらしいし、興味はある。
シルク「んじゃ皆で応援行くか」
モトキ「やった、お弁当作ってこ!」
シルク「ピクニックか」
そんなこんなで話は進み大会当日。
雲一つない程晴れ渡った空で、風も無く、A曰く走り日和らしい。
先に会場入りしていた陸上部はウォーミングアップでトラックを走ったりストレッチをしたり独特な緊張感が漂っていた。
ザカオ「あ、あれちゅんじゃない?」
ンダホ「ほんとだ!」
ダーマ「気付いたぞ」
呑気にこっちに手振ってるけど、流石に緊張してんな。
それもそうか、短距離リレーの相手は前回の優勝校。
おまけに最速記録まで叩き出したキャプテンと並んで走んだから、ゲロ吐くほど緊張してるはず。
こっち来いと手招きしてAを呼んだ。
『皆観に来てくれたんだ!』
シルク「おう、お前無理はすんなよ」
『大丈夫!』
シルク「嘘付けい、バカみてぇに緊張してんのバレてんだからな」
『あら、バレてました?』
シルク「おう、舐めんな」
『でも大丈夫、勝つよ、俺は』
シルク「勝敗だけに気を取られんな。泣いても笑っても最後、全部出し切ってこい」
緊張して引き攣っていた笑顔とは打って変わって目が本気になった。
俺が突き出した拳にコツンと同じように拳をぶつけて「行ってきます」と歩いていった。
アイツのあんな頼もしい背中を見たのは初めてで、ぶつけた拳を力強く握った。
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作者名:憐 | 作成日時:2018年6月14日 12時