第128話【silk side】 ページ28
あれから絡んでくる鬱陶しい奴は相変わらず居るけど、俺達は俺達で前のように騒ぎ倒した。
公園にも行ったし、土手にも行ったし、遊びまくった。
だがしかし、学生には学生の試練というものがあってだな。
それは絶対に避ける事の出来ない宿命。
シルク「テストだ」
ンダホ「嫌だぁぁぁぁあ」
シルク「嫌じゃねぇ、この間の中間テストの点数言ってみろ」
ンダホ「…赤点です」
卒業も近くなったこの時期、この定期考査の点数がそのまま進路へ繋がる大事な時。
我ら土手チームにも勿論勉強が苦手な奴が存在する。
全員の進路が進学と決まったからには、行きたい学校へ行って欲しいし、ンダホに至っては俺と同じ学校へ進学したいと言うから尚更勉強しなくてはいけない。
テスト期間、部活もない俺達は互いに家に集まり勉強会を開いた。
シルク「よし、んじゃあ現国からやるぞ」
ンダホ「出たよ現国ー、何でだよ」
シルク「おめーの為だよ」
ンダホ「細かい字見ると寝ちゃうんだ俺」
シルク「お爺かよ、マサイを見ろマサイを。珍しく真面目だぞ」
マサイ「今回の点数悪かったら小遣い減らされる」
土手チームの中で勉強が断トツで苦手なンダホとマサイの為に、皆で教科ごとに別れて教える事になり、俺は国語担当。
教えている間、残りのメンバーは黙々と課題や自主勉に没頭していて、苦手なこの二人に足りないのは興味が無いものへの集中力だと分かった。
ンダホ「もー!俺作者じゃないから気持ちなんて分かんない!」
シルク「誰もなりきれって言ってねーんだよ、文章の中に書いてあんの」
マサイ「文章…これか」
シルク「それは作者じゃなくて作中の主人公の台詞」
マサイ「だあぁあぁああ」
シルク「もうちょっと静かに出来ねーのかお前らは!」
こいつらこんなんでよく進学すると言ったもんだ。
あぁ、もう分かった。とことん付き合ってやるよ畜生。
俺も同じ学校行きたいからな。
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作者名:憐 | 作成日時:2018年6月14日 12時