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第121話【silk side】 ページ21

最近Aの様子がおかしい。
相変わらず休み時間も放課後来ないし、それに関係あるのかないのか、モトキはよく怪我をするようになった。
何かを隠してるのは間違いない。ただそれが見抜けない。
考える余裕も今はあんま無かったりするんだけど、それは何故か。


「シルクー、呼んでんぞー」

シルク「あ?またかよ」


ヤンキーに絡まれるようになったからだ。
何かしたとかではなく、ただ俺が気に入らなくて、騒いでばっかいるから目に付くらしい。
彼女を巻き込まないように学校では喋り掛け辛いし、アイツらにも迷惑掛けたくないから遊ぶ機会も減って最近不機嫌気味。


「あ、きたきた」

「お絹ちゃーん」


あぁ、うぜぇ。態々呼び出して用もねぇのに。
そんなに俺が気に入らないのか。
そんなに他人が楽しんでる姿が憎いのか。
可哀想な奴等。


「そうだ、シルクに見せたいものあんだよね」


そう言って出されたスマホ画面を見ると写っていたのはA。
女子制服着せられて、顔が本当に嫌そうでこの一瞬で全てを理解した。
何で俺は友達の苦しみに気付いてやれなかったんだろう。


シルク「それ、お前らが着せたん?」

「おん、可愛くね?この小鳥ちゃん」

シルク「今すぐ消してくんね?それ」

「何で?」

シルク「俺がキレる前に消せ」


抑えろ。
耐えろ。
俺がキレて手を上げたらAが我慢している意味が無くなる。
アイツは優しいし頭も良いから絶対に手を上げない。


シルク「本当にうぜぇ、何奴も此奴も」

「は?」

シルク「お前等マジ何なん?」

「何って、陰キャが出しゃばってうざいもん」

「つーかきもい」

「そうそれ。だからシルクが可哀想でさ、あんな奴等に囲まれて」


あ、おれ無理かも。


シルク「…本当に何奴も此奴も、」


やっぱり俺、馬鹿だわ。
友達の事をこんなに言われて黙ってらんねぇよ。

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作者名: | 作成日時:2018年6月14日 12時

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