どうしてこうなった (ページ2)

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『…着替え忘れてきたかも。』

寮内の入浴場で、ひとりそう思った。
脱衣所に出て自分のロッカーの中を確認する。
嫌な予感は的中し、着替えは入っていなかった。

周りを見渡すが、ほかの生徒は続々と自室へ戻っていく。
やがて、私はひとり取り残された。

取り敢えず廊下の様子を見てみようと思い、出入り口のドアを少し開けて見る。

決して人が多い訳ではなさそうだが、普通にいる。

消灯時間まで待つほかないと思った。

「何してんの。裸だけど」

その時、上からある程度低い声が聞こえた。
声の主の方を向く。
色素の薄い目と、髪の毛。前髪は、今女子の間で流行っている“アシメ前髪”に似た形をしていた。
かなりの美形だと私は思った。

『え？はだか…ってああああ、！！ここれは何でもないんです！失礼しました！」

彼の容姿に気を取られて、自分が今まさにタオル一枚だということを忘れていた。
私は恥ずかしくなり、ドアを閉めようとした。

ｶﾞｯ

「着替え忘れたんじゃないの？」

だが彼は、ドアの間に足を挟み、さらに問いかけてくる。