拗らせ恋。【登坂広臣】１

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もう関わるのはやめようと思った相手ほど、なぜか関わりは多いもので。






『間宮さんはああ言ってたけど、もう勘弁だなあ』






実は先日の音楽番組が思いのほか好評で、監督がまた頼むなんて言い出した。



私としてはこれ以上神経を使いたくないのに。



気疲れしちゃう。勘弁勘弁






prrrr....






こんな時に電話。




どうせ監督か間宮さんだろうなーと思いながら画面も見ずに電話に出る。






「あ、出た」


『もしも....げ』






ツー、ツー






どうしたものか、電話相手は登坂さんだった。


勢いで通話終了押しちゃったし。






prrrr....






そして2度目の着信。


これに出なかったらもっと恐ろしいことが待ち構えてそうなので、腹を切る覚悟で電話に出る。






「なんで1回切ったんだよ」


『...どんなご用で』






極力はやく、なんなら今すぐ、電話を切りたい。



だが登坂さんはそんなに優しい人間ではなかった、というのはこの前のー件で思ったこと。



とりあえず早く会話を終えようと試みる。

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