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. hiroomi side
完全に、「俺としたことが」な事件だった。
事の始まりは、彼女。神代Aが俺のファンだと知ってから。
「臣さん臣さん、これ見てくださいよ。超やばくないっすか」
仕事終わり、岩ちゃんがシッポを振る子犬みたいに近づいてきた。
目の前に差し出したのはスマホの画面。
《 神代A 、憧れの登坂との司会でもクールキャラ崩れず!ー部ファンからは安堵の声も 》
ネットニュースの一部記事だった。
これをルンルンで見せてくる岩ちゃん、とんだ鬼。
「なんか、告白してないのにフラれた気分」
「臣さんそれ俺のネタっすよ」
実際本当にフラれたような気分だった。
思い返せば連絡先だって聞かれてない、いつもなら向こうから聞かれるのに。
神代Aは俺にとって、まるで未知だった。
だから、少し知りたいと思って。
『...最低です』
案の定、こうなった。
咄嗟のことだったし、自分でもちょっと後悔してる。
だが今まで俺から距離を詰めて、「最低」なんて言葉を投げつけられたことは無かった。
「...」
俺はその日、初めて自分から連絡先を教えた。
それがどうしてなのか、まだ自分の頭では考えられなかった。
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shirey(プロフ) - 待ってました(;_;)どうなるのか楽しみです! (2021年11月27日 14時) (レス) @page33 id: eae9c1c1ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りーりー | 作成日時:2021年8月24日 15時