リヴァイ兵長 (ページ2)

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壁外調査ページ2

『早く、早くエルヴィン団長の元へ…！』

早く行かないと、分隊長やサイムさん、エイリーが命を落とした意味が無くなってしまう!!!!!!

早く

早く!!

早く!!!!!!

『…ぁ………』

その時、木の影から出てきた、ニヤリと笑った巨人と目が合ってしまった。

体中が金縛りにあったように動かなくなった。

ﾄﾞｸﾝｯ

ﾄﾞｸﾝｯ

ﾄﾞｸﾝｯ

心臓の鼓動が大きく分かった。

『ひっ…』

巨人に掴まれたのに、指ひとつ動かせない。

このまま死ぬなんて嫌だ！何一つ、何一つ出来ないままで。

…それなのに、思考とは反対に体は少しも動かない。

『ぃ、やだ…っ、やだよぉ…っ、死にたくない…っ!!!!!!誰か…助け…て…』

目から涙が落ちる。何滴も。

最悪の結末が脳裏を過ぎる。

巨人の巨大な口が私を飲み込もうとしたその時だった。

ｻﾞｼｭｯ

『…ぁ………』

リヴァイ兵長だった。

「ﾁｯ…怪我はねぇか？」

『…ぁ、う………』

落ちる寸前で私を抱き抱えてくれた為、私は今、リヴァイ兵長の腕の中だ。

同僚が目の前で死に、私のせいで2人の上司が死んだ。今の私にはあまりにもショッキングな出来事で、涙が止まらず、まともに喋れなかった。

「……今は無理に喋らなくてもいい。落ち着いてから話せ。」

そう言うと、優しく頭を撫でてくれた。

兵長の少しゴツゴツした、暖かい手の温もりが体にじんわりと広がって、また涙が溢れてしまった。

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その後、大量の奇行種の出現により、沢山の兵が命を落とした。

犠牲が多く、残った人数は30人にも満たなかった。

私はその知らせを聞き、兵長と一緒に残った兵員達と合流し、壁内へと戻った。

私は巨人に掴まれた際に、左腕を骨折していた為、馬には乗れず、荷台に乗っていた。

その時も涙は止まらず、ずっと泣いていた。

どうして救えなかったのか。

なぜ体を動かせなかったのか。

答えはただ一つだ。

私が、臆病で、弱虫だからだ。

そんな自分が酷く惨めでいやらしかった。

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目が覚めると、自室だった。

ふと机に目をやるとメモが置いてあった。

跳ね、はらい全てがきちんとされた美しい字だった。

『目が覚め次第、兵長室へ来るように。』

…と。