検索窓
今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:851 hit

3話「朝」 ページ6

金助side


「兄さん、起きてください」

やけに丁寧な喋り方の銀介が聞こえてきた
兄弟なのにいつまでたっても敬語のまま

いいかげん、タメ口になんないかなと思う朝だった


「きーくんおはよう」

「お、時雨おはよう」


早起きの時雨は食べ終えた食器を片付けようとしていた

どうやら今日も起きるのが俺が最後だったらしい

これも毎日だったから一人で食べるのもなれてきた


「金が最後なの?、あ!、目玉焼き分けろー!」

「しょうがないなー、ほらよ」

紅蓮は俺が一人で食べようとすると、遠回しに

一緒の食べてくれる

だから俺が一人で食べることは無くなった

その代わり毎朝俺は目玉焼きが食べられない、、ちょっとショック

「ごちそうさまでした」

「たー」


また適当にごちそうさまを言う紅蓮

後で銀介に怒られても俺は知らないからな


「今日もいい晴天だ」

晴れの日のは銀介は決まってそう言う

特に深い理由もないそうだ


銀介は何にでも恵まれていてうらやましい

俺が何年もかけて太陽の力がを手に入れたけれど

銀介は一発だった

何をやっても銀介は出来たやれば出来た

「お前は何になりたいんだ?」

俺はこう聞く

けれどいつだって答えは変わらなかった


「兄さんの隣にずっといることですね、これだけは変わりません」


そういって俺の微笑みかける

なんだよ、イケメンかよ

「ばーか」

「ばかで悪かったですね」


いつからか泣き虫のこいつが泣かなくなった

訳を聞いても銀介はΓいずれわかりますよ」とだけ言い残して

庭に足を運ぶ


それがいつもと同じでなぜか笑いが込み上げてくる

「くくくくっ」


拝啓 母上

俺は元気です

銀介は相変わらず表情筋がいつまでたっても留守です

母上と父上に会える日を待っています

それではお元気で

金助

 
 

続く お気に入り登録で更新チェックしよう!

最終更新日から一ヶ月以上経過しています
作品の状態報告にご協力下さい
更新停止している| 完結している



←2話「家系」



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (3 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
2人がお気に入り
設定タグ:オリジナル作品 , , 誤字脱字 , オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:涙戯 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php  
作成日時:2017年8月2日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。