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太輔side ページ13

太輔side

ーーー


.




俺のこの大きな耳を怖がることなく
フワフワって笑ってくれたのは彼女が初めてだった。




誰かと一緒にお茶をしながら
話をするなんて初めてだった。




.



楽しい時間はあっという間で、


彼女に言われるまで時間のことなんて
すっかり忘れてた




.



森の出口まで送るって言っても
平気だよって笑う彼女。






全然大丈夫じゃない、


この森は、日が落ちると危険だし
野生のオオカミや蛇もいるんだぞ?



怪我だってしてんのに、
一人で帰すわけにはいかない。




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けど、

俺が送ってあげられるのも、森の出口まで。




.







ここから先は、



キミ達、人間の住む世界



.



.




木の影からAが街へ戻るのを見届けていると









『…また…会えるよね?』



.




.






そう小さく呟く彼女の声…


ちゃんと俺の耳に届いたよ。



.




.






キミをこの森から出したくない
って思ってしまったのは
オオカミの血が混ざる俺の本能だって思いたい。



.

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作者名:Bear | 作成日時:2016年3月26日 11時

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