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太輔side ページ12

太輔side


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最初のうちは怯える彼女。





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まぁ、無理もない。


こんな姿だからな。






本当は、こんなふうに怖がらせるのは嫌だし

早いところ目の前から退散してあげたかったけど





彼女の細くて白い脚に痛々しい傷ができているのを
見てしまったからそのまま放置するわけにはいかなかった。





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家に招き入れて、怪我の手当てをすると


キュッって目を瞑りながら耐えている彼女。




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痛いだろうし、可哀想だって思いながらも


可愛い__そう思ってしまった自分がいた。




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彼女は、不意に俺の耳を触ってきた。



驚いたけど、人に触られるのって初めてだから
くすぐったくて変な感じだった。







たぶん、耳は俺の弱点。





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きっとこんなことも、彼女に触れられることが無かったら知りもしなかった弱点だったかもな。





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彼女がくれたリンゴは、



彼女と同じ真っ赤なずきんを被ていて



甘酸っぱくてとっても優しい味がしたんだ






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作者名:Bear | 作成日時:2016年3月26日 11時

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