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太輔side ページ11

太輔side

ーーー




.





「はぁ、腹減ったな…。
なんか食材でも探しに行くか。」




独り言だって増えた。





と、言うより話す相手がいないのだから
発する言葉は全て独り言になってしまう。





.





とぼとぼと森の中をいつものように歩きながら
食材を探していると、


遠くの方に1点だけ赤色のものが見えた。





.



辺り一面が木々で覆われているから
赤色がとても目立つ。





「ん?」








不思議に思って、その赤色の物体の方へと
足を進める






.







その赤い物体まで近づいて

木の影からこっそりと様子を伺う俺は、









「………ッ。」





.







思わず、息を呑んだ。


.






真っ白な肌に、真っ赤なずきんを被る
可愛い女の子が座り込んでいる様子が







なんとも言えないくらい綺麗で___



美しかったから___



.






.



何かを美しい。


そんなふうに思ったのはいつぶりだろうか。





いや、もしかすると

俺は、何かを美しいと捉えたことは
1度も無かったかもしれない。


.




そんな俺が、目を逸らせなくなるほどだ__





.





どれくらいその様子を見ていたのだろうか。






.




.



その女の子の今にも泣き出しそうな声が聞こえて


現実に引き戻され、





次の瞬間には、





「……大丈夫?」





.



そう声をかけていた。






.

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作者名:Bear | 作成日時:2016年3月26日 11時

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