8話 ページ9
「実は、一郎くん――――いや、萬屋ヤマダに頼みがあってね。人探し、を手伝ってほしいんだ」
「「「「人探し?」」」」
四人同時にオウム返しをした。
萬屋ヤマダには普段から色々な依頼が来るけど人探しの依頼は珍しい。それに、この人はあまり頼み事などをしなさそうだ。
一体、誰を探しているんだろうか?
兄達も同じことを思ったようで、そして神宮寺寂雷さんはそれを見透かしたかのように告げた。
「・・・私の患者さん、と言ったところかな」
「患者を、探す・・・」
違和感がある。
通院している患者なら分かるかもしれないけれどそれならこの人がわざわざ依頼する必要は無さそう。
でも入院している患者ならそんな居なくなるなんて事は無いよね。
考えれば考えるほど余計違和感が増す。
「「んんん・・・・?」」
じろ兄と私はもう頭からプスプス煙が出てきそうな状態だった。
やっぱり頭は一捻り出来ないな・・・。
「患者の人探しってのは分かったんすけど、何故寂雷さんが・・・」
いち兄が聞く。
「まあ、私は仲介者、みたいな立場かもしれない。本当はその患者の親が依頼してきたんだけど、私が一郎くんと面識があったから代わりに来た、という事です」
仲介者・・・・
そして本当の依頼人が親、ということは
「子供?」
「子供か・・・」
三郎と声が合った。
「珍しく頭、回ったんだね」
"アタマ"を強調されイラっとくる。が、ここはあくまでも客の前。静かに受け流さないと・・・
「こんくらい分かるって」
「ふーん・・・」
神宮寺寂雷さんにはこの会話は聞こえてなかったようで、口を引き締めて私達を見ている。
いち兄は何か考えている様子だったが、何かを決めたように顔を上げた。
「寂雷さん、その親って人に会わせてもらってもいいっすか?」
317人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ヒプノシスマイク」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アミ - この作品、すごく面白かったです!!更新頑張ってください! (2021年4月8日 10時) (レス) id: ba379c9f27 (このIDを非表示/違反報告)
十鞠 - 続きが楽しみです!!三郎君尊過ぎませんか、、?ちょっと、三郎君刺した奴狩ってきます。 (2019年8月8日 1時) (レス) id: fb05fdae18 (このIDを非表示/違反報告)
カヨ林檎(プロフ) - 水無月碧音さん» ご指摘ありがとうございます!恥ずかしい間違いをしてしまいました(-_-;)只今修正致しました。今後ともよろしくお願いします(*^^*) (2019年5月25日 20時) (レス) id: d998e82556 (このIDを非表示/違反報告)
水無月碧音(プロフ) - 設定の欄、二郎くんは17歳ですよ!^^;応援してます! (2019年5月25日 16時) (レス) id: 9308ec7c9c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:柚々 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kayo3925/
作成日時:2019年5月23日 23時