7話 ページ8
「う〜あっつ・・・」
汗で張り付く衣服をパタパタと扇ぎながら歩く。
あの後じろ兄を起こして外に出たものの、既に暑さにノックアウトしそうになった。
やっぱり、夏と冬は嫌いだ。
「兄ちゃん、その依頼人って誰なの?俺達の知り合い?」
じろ兄が訪ねる。
そう。私も、それが気になる。
「それは会ってからのお楽しみだ。でも二郎と三郎は少し警戒してる人かもな」
「警戒・・・?」
じろ兄と三郎はよく分からなそうな顔で頭を捻らせていたが、私はどんな人物か分かった気がした。
―――――――――麻天狼の、誰かだ。
じろ兄と三郎が警戒してる人、と言えばそれくらいしか思い浮かばない。
まだ二人はさっぱり見当がついていない様子で、そのまま電車に乗った。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
「ここら辺で待ち合わせてるんだが・・・・おっ、いたいた」
近くにもうその人物はいるらしく、いち兄の目線の先を辿ると背がずば抜けて高い人が居た。髪の毛もずば抜けて長い。
だが、あの人物は見覚えがある。
さっきの予想は当たったみたいだ。
「こんにちは、一郎くん。二郎くん、三郎くん、それから・・・・Aさん、かな?」
「寂雷さん、どうもっす」
いち兄が軽く一礼する。
「こ、こんにちは」
それに合わせて自分もとりあえず挨拶をする。
「萬屋ヤマダに人探しを依頼した、神宮寺寂雷です。二郎くんと三郎くんは知っていると思うけれどもね」
神宮寺寂雷、って言うんだ。
今まで外見しか知らなかったから、この見た目としっくりくる名前にほぉ、と感嘆した。
「神宮寺、寂雷が何故・・・・・」
「なんで麻天狼のリーダーがここに・・・?」
二郎と三郎はいち兄の言った通り少し警戒している様子で、半歩後退りしていた。
「寂雷さんは、TDD時代からお世話になっていてな。お前らにも興味があったらしいから、連れて来たんだ」
「へー・・・TDDか」
TDDというのは、「The Dirty Dawg」の略で、今は解散しているけどかつて存在した伝説のラップチームのこと。
いち兄とこの神宮寺寂雷さん、それともう二人がそのメンバーだった気がする。
そんな人が、何故ここに依頼をしてきたんだろう・・・
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アミ - この作品、すごく面白かったです!!更新頑張ってください! (2021年4月8日 10時) (レス) id: ba379c9f27 (このIDを非表示/違反報告)
十鞠 - 続きが楽しみです!!三郎君尊過ぎませんか、、?ちょっと、三郎君刺した奴狩ってきます。 (2019年8月8日 1時) (レス) id: fb05fdae18 (このIDを非表示/違反報告)
カヨ林檎(プロフ) - 水無月碧音さん» ご指摘ありがとうございます!恥ずかしい間違いをしてしまいました(-_-;)只今修正致しました。今後ともよろしくお願いします(*^^*) (2019年5月25日 20時) (レス) id: d998e82556 (このIDを非表示/違反報告)
水無月碧音(プロフ) - 設定の欄、二郎くんは17歳ですよ!^^;応援してます! (2019年5月25日 16時) (レス) id: 9308ec7c9c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柚々 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kayo3925/
作成日時:2019年5月23日 23時