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3話 ページ4

「お風呂、上がったよー。さぶろー、次どうぞ」


「あぁ、分かってるって」


リビングにいる三郎に声を掛けると、不機嫌そうな声が返ってきた。
不機嫌な理由が分からなくて向こうを覗くと、3人が何やらゲームをしているようだった。プレステとかじゃなくて、ボードゲーム。


「あっ、クソ!二郎の奴、運が良いマスに止まりやがって・・・・」


「わりぃな、三郎。お前とは違って俺はこういうゲームでも強いのさ」


「はぁ?!ゲームでも弱い、の間違いだろ?!こんな低脳が強いなんて、この僕の名誉に汚れが付くから止めてほしいね」


「ガキの癖に生意気言ってんじゃねえぞクソ三男坊さんよお」


「お前ら、いい加減にしろ!」


じろ兄、三郎が喧嘩をしていち兄がそれを仲裁する。

1日に何回も見る光景だけど、今はそれが酷く仲良しな兄弟に見え、さらに酷く羨ましく見えた。

やっぱり、兄達と私の間には見えない壁があるのだろうか。
嫌だな。私も、女だからとかじゃなくて、普通に、自然体で接してほしい。


目をまたそちらにやると、いち兄と目が合った。


「あぁ、A、すまねえな。三郎がやりてぇって聞かなかったからよ、今から四人でもっかいやるか?」


「ええ?兄ちゃん、俺今良いところなんだからこれが終わってからでもいいじゃん」


「Aも入れた方が楽しいだろ?それに、二郎はAを仲間外れにしたいのか?」


「うっ・・・・分かったよ」

二郎は残念そうにそう言ってから私の方を見ると、またボードに向き直った。

その態度を見て、私はムッとした。
いくら最初からやるって言ったって、そんな不機嫌にしなくても良いのに。


「そんなやりたいなら続けてどうぞ。私が居ない方が良いんでしょ?」


体の何処かがプチっと切れて、遂にこの言葉を発してしまった。
そして居たたまれなくなり、自分の部屋――正しくは皆の寝室――に駆け込んだ。

そしてジワッと、目頭が熱くなった。
何だよ。どうせ私なんか居なくてもいいんじゃん。じろ兄と三郎にとっては私なんかどうでも良いって事なんだ。



今すぐ、家を飛び出したくなった。

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アミ - この作品、すごく面白かったです!!更新頑張ってください! (2021年4月8日 10時) (レス) id: ba379c9f27 (このIDを非表示/違反報告)
十鞠 - 続きが楽しみです!!三郎君尊過ぎませんか、、?ちょっと、三郎君刺した奴狩ってきます。 (2019年8月8日 1時) (レス) id: fb05fdae18 (このIDを非表示/違反報告)
カヨ林檎(プロフ) - 水無月碧音さん» ご指摘ありがとうございます!恥ずかしい間違いをしてしまいました(-_-;)只今修正致しました。今後ともよろしくお願いします(*^^*) (2019年5月25日 20時) (レス) id: d998e82556 (このIDを非表示/違反報告)
水無月碧音(プロフ) - 設定の欄、二郎くんは17歳ですよ!^^;応援してます! (2019年5月25日 16時) (レス) id: 9308ec7c9c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:柚々 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kayo3925/  
作成日時:2019年5月23日 23時

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