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empatbelas ページ32

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お店を見て回るだけ回って、最終的に本屋で買い物して終わった。

ご飯も食べて片付けをしている時、大事なことを思い出した。


「Aー、絵本読むの中断」

「なぁに?」

「はい、プレゼント」


Aの半分はありそうな包みを差し出す。
膝の上から本を退かし、包みを見て首を傾げている。


「ぷえじぇ...?」

「プレゼント!
開けていいよ」

「あける・・・」


そっか、こういうの見たことなかったっけ

Aを膝の上へ横向きに座らせてから、開け方を教える。
数分後、出てきたモノを持ち上げ、目を輝かせていた。


「くまさん!!」

「レイチェルさんが欲しそうにしてたって教えてくれたんだ。
クマさんがいれば一人でも待てる?」

「うん!!!」


なんだその100万点の笑顔は・・・

でも、喜んでくれて・・・元気になってくれて良かった。


「・・・りし はやくかえってきてね」

「え、今日はもうどこにも行かないよ?」

「くまさんいっしょ さみしくない。
でも、りし ずっといないの さみしい」


・・・そんな顔しないでくれ・・・キミを置いていけないじゃないか・・・

頬を撫でるとその手に擦り寄ってくる。
刹那、頬から奥へ指を滑らせ小さな頭を固定していた。
焦点が合わなくなるほど近付いた時、微かに名前を呼ばれた気がした。


「ごめん、できる限り早く帰ってくるからね」

「う、うん、待ってる・・・」


抱きしめながら言うと、おずおずと手を回してくれるA。
少し力を込めてから離れる。

「ちからつよい!」と怒られたが、そこまで力を入れていない。
ごめんね、と謝ってからトイレに向かった。



トイレの戸を後ろ手で閉め、扉に頭を預けると大きなため息が吐き出された。


・・・僕は、あの子に何をしようとした?


戸に体を預けたままずるずるとしゃがみ込み、大きなため息と共に項垂れた。
今のは確実に・・・


「キス・・・しようとした、よな・・・」


言葉に出すとますます罪悪感に襲われ、胸が潰れそうになる。


ちがう、別にAをそんな目で見たんじゃない





ただ・・・









 


 








Aと離れたくないと思っただけなんだ・・・

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灰谷(プロフ) - どっかのちっちゃいバレー馬鹿は、笑いました!絶対あいつのことじゃんて言いながら読んでました! (2022年4月19日 20時) (レス) @page17 id: 6e2eb6e1af (このIDを非表示/違反報告)
鹿野ユズナ(プロフ) - 二推しと映画が始まって離れ離れになる現実がつらすぎて涙出てきました。頼む……平和に……少しでも平和に終わってくれ…………。主人公と邂逅を果たすのも近いですね…………。これでもう1人の主人公と一緒になるルートだったらわっしょいです…………(此奴) (2021年8月19日 23時) (レス) id: 6c05b173a1 (このIDを非表示/違反報告)
はく(プロフ) - リシさあああああ((( まじ天使幼女。ギャグセンもある、、最高! (2021年8月18日 22時) (レス) id: 480d828c8e (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - 私も前まではクローゼットの中に入って親から逃げてました、、、、、、リシさん優しすぎて泣きそうです((((もう泣いた (2021年8月11日 1時) (レス) id: 1a6dd63888 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ふたみや遥 | 作成日時:2021年8月4日 15時

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