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『さあ、第6回イカップル杯も、ついに準決勝を迎えました!』
『注目のスカル&Aペア、ナメロウ金属での第1試合、ヤガラ市場での第2試合も制し、着実に駒を進めています! 果たして決勝進出なるのか!?』
スポナーの上で、Aはナンプラー遺跡の乾いた空気を大きく吸い込んで吐き出す。決勝トーナメントもここまでは順調だった。そしていよいよ、二人は準決勝を迎える。
敵はスクイックリンαとスパッタリー。ヤグラに乗る側はスクイックリンのようだ。
「ナンプラー遺跡は初動から第一カンモンにかけての中央高台の奪い合いが最大の難所だ。そこさえ越えてしまえば、後はチャージャーの射線は通りやすくなるから、ノックアウトを狙うのは容易い」
「ってことは、初動はスペシャルを溜めつつ足場を整えてからヤグラに乗って、第一カンモン突破までをスペシャルで押し切りたいね」
「ああ」
乾いた風が吹き付け、雲が流れ日射しは強くなる。遥か先に見えるゴールを見据えて、Aはスポナーに潜る。
『レディー……ゴー!』
「スカルくんは右の高台の確保をお願い。私は中央左から塗っていく!」
「分かった」
作戦通りに二手に分かれ、まずは中央高台周りを塗って足場を確保する。
「おっと、一人かい」
「……!」
Aが声の方を見上げると、先に中央高台を確保していたスパッタリーが素早く降りてくる。
「リッターが反対側にいるなら、こちら側に追い詰めれば射線は通らない。一方的に囲み放題だ!」
「そんな……!」
まるでAたちの作戦を逆手に取ったような動きだ。スカルの陣取る高台の反対側、段差とヤグラに遮られてリッターの射線は通らない。自陣に逃げようにも、中央からのスクイックリンの射線から逃れられそうにない。
(せめて、一人でもキルできたら……!)
Aはチャージャーの射線を躱しながら、足元を狙うスクイックリンに狙いを定める。しかし、スライドで軽快に距離を詰めながら動く相手には、3本の矢のうちの1本すら当てることはままならない。
「っ……!」
「よし、取ったぞ!残りはリッターだ!」
ノンチャージでの必死の抵抗も虚しく、Aは呆気なくデスしてしまう。
「っ……!」
中央を狙うスカルの視線が、一段と鋭くなる。
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ただの紺色(プロフ) - スカル落ちのストーリーはあんまりないので読んでて楽しかったです! (12月24日 2時) (レス) @page23 id: ec9847f949 (このIDを非表示/違反報告)
とある少女 コロイカ 緑チームシリーズ 大好き! - 続き嬉しいです 楽しみにしてます! (2023年4月11日 16時) (レス) @page3 id: 7ed1cae315 (このIDを非表示/違反報告)
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