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「確認したか」
「うん。第一試合はDブロックのペアと。ステージはナメロウ金属だって」
「ナメロウ金属か。……あそこは第2カンモンから第3カンモンにかけての曲がり角が難所だな。チャージャーの射線は通りにくくなるから…」
「ってことは第2カンモン到着に合わせてスペシャルを使って、ワイプアウトさせてからそのまま第3カンモンまで行くのが良いかな?」
「その通りだな。……もう作戦はお前に任せても良いかもな」
「え……?」
Aはきょとんとして固まる。
「スコープは視界が狭くなるから、状況把握がしにくい。だがラクトはその性質上、盤面全体を見ながらサポートできるブキだ。お前がその場の状況に応じて作戦を伝えてくれれば、オレも戦いやすい」
「……!」
「特に、今回は二人だけでの戦いだ。それに長射程がヤグラに乗るというセオリーも通用しない。チャージキープができないことも足枷になる。……だが、お前がサポートしてくれるおかげで、オレも動きやすくなる」
「そ、そんな……」
スカルに褒められて、みるみる顔が赤くなっていくのを悟られないよう、Aは咄嗟に視線を斜め下に逸らす。そんなAに気付いているのかいないのか、スカルはただ淡々と話を続ける。
「その分、キルはなるべくオレが取ろう。ラクトに撃ち合いをさせるのは極力避けたいからな」
「うん!……ありがとうね」
照れながらAがそう伝えると同時に、ロビーの喧騒の中で再びアナウンスの声が響く。
『間もなく、決勝トーナメント第1試合に移ります。決勝トーナメント参加者の皆様は、所定の位置にお集まりください』
「あ、もう始まるって。行くよ!」
「ああ。決勝トーナメントも、二人で勝ちにいこう」
「うん!」
人混みをかき分けて、二人は走って行った――望んだ夢へ、また一歩近付くために。
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ただの紺色(プロフ) - スカル落ちのストーリーはあんまりないので読んでて楽しかったです! (12月24日 2時) (レス) @page23 id: ec9847f949 (このIDを非表示/違反報告)
とある少女 コロイカ 緑チームシリーズ 大好き! - 続き嬉しいです 楽しみにしてます! (2023年4月11日 16時) (レス) @page3 id: 7ed1cae315 (このIDを非表示/違反報告)
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