22(終) ページ22
柔らかく触れる感触の後に、温かな吐息がかすかに口元に掛かる。身体を巡る拍動が、その強さを増していくのが分かる。
「私も……スカルくんが、大好き……!」
ウデマエもXPも、Aの実力ではスカルには遠く及ばない。けれど、今この瞬間は、スカルに最も近い場所にいる存在は自分自身なのだと、Aは胸を張って言える、そんな気がした。
「係員が呼んでいるな。一緒に行くぞ」
「うん!」
スカルがAの手を引いて、甲板へと出る扉をくぐり抜ける。周りには空と海、どこまでも広がる青。春の訪れを感じさせる陽射しを浴びたドレスの裾が揺れて、ふたつの白い輝きは歩みを進めてゆく。
眩しい光に照らされて、互いに顔を見合わせて微笑んで、最初の一歩を、二人はまだ踏み出したばかりだ。
――いつか「本物」をその身に纏うことになる、その日へと向かって、ただ真っ直ぐに。
『Full Charge & Rock On!!』 -fin-
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ただの紺色(プロフ) - スカル落ちのストーリーはあんまりないので読んでて楽しかったです! (12月24日 2時) (レス) @page23 id: ec9847f949 (このIDを非表示/違反報告)
とある少女 コロイカ 緑チームシリーズ 大好き! - 続き嬉しいです 楽しみにしてます! (2023年4月11日 16時) (レス) @page3 id: 7ed1cae315 (このIDを非表示/違反報告)
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