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受付の列が進み、Aとスカルも受付を済ませて、予選の対戦表を確認する。周囲のざわめきは、一向に収まる気配がない。
「私知ってる!スカルのペアのAって子、最近S+0に昇格したラクト使いの子だよ!」
「S+0か〜。てっきりもっと強い子と組んでそうだと思ったのに」
「たかがS+0ごときでS4最強のスカルと組もうだなんて、調子乗ってるんじゃない?」
「ヤグラに乗るのがこの子なら、勝てそうだけどなー」
 ざわめきに混じって、何やらそんな声が聞こえてくる。Aがその声に反応して、ポケットの中で拳をぎゅっと握りしめたのを察してか、スカルは「あいつらには構うな」と肩越しに彼女に声をかける。
「ねえ、スカルくん……本当に、私とで良かったの?」
 ポケットに手を埋め、俯いたままAは尋ねる。
「何を今更」
 スカルの視線は、壁に貼られた対戦表の方へと真っ直ぐに向いたままだ。
「オレは……お前とだからこそ……いや、何でもない」
 Aはゆっくりと顔を上げる。スカルが何を考えているのか、Aにはまるで読めない。口元も見えない、眉毛も無いとなれば、無口な彼の心の内を知ることなど、不可能に近かった。


『それでは、これから予選第1試合に移ります。参加ペアの皆様は、ステージに移動してください』
 開会式が終わり、いよいよ大会が始まる。スカルと共に第1試合のステージへと移動しようとしていたAの元に、背中から聞き慣れた声がかかる。
「おーい、Aー!」
 振り返ると、そこにはサニーとグレープがいた。前回に引き続き、参加している二人だ。
「サニー、グレープ! 君たちは確か、予選Aブロックだったよね」
「そうそう、AとスカルはFブロックだったっけ?」
「お互い違うブロックだから、予選を突破すれば決勝トーナメントで会えるかもな」
「お互い、頑張ろうねー!」
 二人に手を振って、Aはステージへと向かう。
「誰が何と言おうと関係ない。練習の成果を発揮して、勝ちに行こう」
「うん!」
 第1試合開始の時間になった。Aとスカルは互いに目配せして、意気揚々とスポナーに潜り込んだ。

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ただの紺色(プロフ) - スカル落ちのストーリーはあんまりないので読んでて楽しかったです! (12月24日 2時) (レス) @page23 id: ec9847f949 (このIDを非表示/違反報告)
とある少女 コロイカ 緑チームシリーズ 大好き! - 続き嬉しいです 楽しみにしてます! (2023年4月11日 16時) (レス) @page3 id: 7ed1cae315 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Shinju | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2023年4月9日 20時

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