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肩で息をしたまま、Aはブキを下ろしてスカルの方を振り向く。
『第6回イカップル杯、頂点に輝いた二人は――スカル&Aペアだー!!』
観客席が、いや、ステージ全体が、歓声と拍手の渦に包まれる。
「やったな、A……!」
「スカルくん……! 私たち、本当に勝てたんだね! 本当に本当に……ありがとう!」
ヤグラから降りて、スカルの元に駆け寄ったAは、互いに勝利を称え合う。歓声の止まない観客席には、S4のメンバーや、ブルーチームといった者たちが手を振っている姿が見えた。
***
マンタマリア号での表彰式が終わり、準優勝の賞状を手にしたサニーとグレープの二人が、優勝トロフィーを抱えたAの元に駆け寄ってくる。
「あはは、私たちの2連勝とはいかなかったかー」
「Aもスカルも、本当に強かった。良い試合だったぞ」
負けた方の二人も、爽やかな笑顔で、悔いの残らない様子であった。
「サニーとグレープも、すごく強かったよ! 私ももっと、強くならなきゃね」
「よーし、今度戦うことがあったら、次は絶対負けないんだからね!」
「望むところだよ!」
Aとサニーの明るい声が響く船上へ、アナウンスの声が降り注ぐ。
『お知らせ致します。ただ今よりマンタマリア号にて、優勝ペアの写真撮影の準備を行います。優勝ペア以外の方は、速やかにステージ外への移動をお願いします。優勝ペアの方は、係員がご案内に参りますので、しばらくお待ちください』
(…………!)
Aの顔が、一瞬強ばる。
「写真撮影、ということは……」
スカルがAの方へと視線を向ける。そこに割り込むように、サニーの声が通り抜けて行く。
「あっ、写真撮影って……優勝賞品のウェディングフォト撮影でしょ! いいなー羨ましい! じゃ、私たちはもう行くからねー! お幸せに!」
「あっ、ちょっとサニー……!」
Aの制止も聞かず、サニーとグレープはスーパージャンプで飛び立ってしまう。観客席にいた観客たちも去っていき、静かになった船上には、Aとスカルだけが取り残された。
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ただの紺色(プロフ) - スカル落ちのストーリーはあんまりないので読んでて楽しかったです! (12月24日 2時) (レス) @page23 id: ec9847f949 (このIDを非表示/違反報告)
とある少女 コロイカ 緑チームシリーズ 大好き! - 続き嬉しいです 楽しみにしてます! (2023年4月11日 16時) (レス) @page3 id: 7ed1cae315 (このIDを非表示/違反報告)
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