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「残りはグレープだな。状況はどうだ」
「大丈夫、何とかしてみせるよ!」
Aをヤグラに乗せまいとスライドで距離を詰めてくるグレープと、引き撃ちで距離を取りつつフルチャージで彼を狙うA。あわやケルビンの弾が直撃するという所へ、すかさずスカルがホップソナーを投げ入れる。インクの弾をホップソナーが遮ったことで身を守ったAは、スライドの硬直の隙を突いてインクの矢を放つ。
「そこだっ!」
ホップソナーの波と、2本の矢が同時に着弾して、グレープを仕留める。
「やった!ワイプアウトだ!」
「残り時間が少ないな。オレたちがカウントリードを取り返せるとしたら延長戦になるだろう。それまでAはヤグラを守っていてくれ」
「わかった、頑張る!」
Aは素早くヤグラに乗り込み、周囲を伺いながらスペシャルを溜めていく。ヤグラが中央付近まで戻ってきたところで、再び敵との交戦になる。
『さあ、いよいよ延長戦に突入だ! このままA選手がヤグラを守りきるのか! それとも前回王者が阻止するのか!』
サニーとグレープが、二人がかりでAを狙う。ここでAがやられてしまえば、その瞬間に勝利の可能性は失われてしまう。
「Aは……オレが守りきる」
スカルは敵の軌道を読むかのようにブキを構え、素早くサニーを撃ち抜く。そしてヤグラ上で必死に抵抗するAのノンチャージ射撃を浴びせられ続けて手負いとなったグレープに接近して半チャージで仕留め、防衛の要所となる高台へと上がり込む。
「この先は第2カンモン……最大の難所だな」
「きっと敵は、また壁の向こうから不意打ちで追い詰めてくる……」
延長戦のブザー音が、鳴り止むことなく響き続けている。このままAがヤグラから降りることなく第2カンモンを突破できなければ、カウントリードには届かない。
「敵は左と正面からだな。左はオレが仕留める。……A、いまこそ『アレ』を使う時だ」
「よし、分かった! 最後の望みに懸けて……!」
ヤグラが第2カンモンへと到着した。スカルの言う通り、左の高台からはサニーが迫ってくる。だが、Aの狙いはそちらではない。
(グレープなら、きっとこの位置から来るだろうから……意識を研ぎ澄ませて……この距離、この角度で……)
Aは斜め上に向けてブキを構え、素早く弦を引き絞る。
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ただの紺色(プロフ) - スカル落ちのストーリーはあんまりないので読んでて楽しかったです! (12月24日 2時) (レス) @page23 id: ec9847f949 (このIDを非表示/違反報告)
とある少女 コロイカ 緑チームシリーズ 大好き! - 続き嬉しいです 楽しみにしてます! (2023年4月11日 16時) (レス) @page3 id: 7ed1cae315 (このIDを非表示/違反報告)
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