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 果てしなく広がる澄んだ青を眺めながら大きく息を吸えば、潮の香りが胸に満ちてゆく。マンタマリア号の停泊する港に設けられた観客席は、前回の決勝戦よりもさらに多くの客が押し寄せていた。
「緊張しているのか」
 Aの隣に立つスカルは、普段と変わらぬ、澄ました顔であった。
「うん……だいぶ。スカルくんは、こんな時でも緊張しないの?」
「いや…………している」
 意外な返答に、Aは視線を上げる。
「スカルくんでも、緊張することあるんだ」
「何しろ今回は……特別だからな」
「特別……」
 その時、スカルが何かに気付いたように、観客席の方へと振り向く。
「む、あいつらは……」
「あっ、もしかして……S4の!?」
 スカルの視線のすぐ先には、Aも知っている、S4のアーミー、アロハ、マスクの姿があった。
「遂に決勝戦だな! 優勝したら、ワガハイが祝いのカレーを振る舞おう! Aも遠慮なく食べるが良い!」
「やっぱ悔しいけど、Aちゃんはスカルがお似合いだよね〜。ってことで、特別に見に来ちゃったってカンジ〜」
「こんなリア充だらけの大会……仕方なく来てやったんだからな〜、S4の顔に泥を塗るようなことはするなよ〜」
「……ああ。言われなくとも、オレ達は必ず、勝利を掴みに行く」
 スカルはS4の皆に向けて力強く頷き、そして再びAの方へ向き合う。
「この決勝戦は、ステージも、対戦相手も、オレ一人では決して立ち向かえない。それはA一人であっても同じことだ。だが、オレとA、二人で力を合わせれば――不可能を可能にできると、オレは信じている」
 潮風が吹き抜けて、彼のスカルマスクを靡かせる。見えそうで見えないその口元に、彼はどんな感情を隠しているのか。今のAには知る術は無い。だけど、きっと今、スカルは笑っている気がする――何故だか、Aにはそう思えた。
「必ず、勝ちに行こう。オレとお前と、二人でしか成しえない勝利を掴むんだ」
「うん!」



『さあ、第6回イカップル杯、いよいよ決勝戦です!』
『アルファチームは、言わずと知れたS4最強の狙撃手、スカル選手と、そんな彼を見事打ち破ったマゼンタチームの新進気鋭のラクト使い、A選手のペア!』
『そしてブラボーチームは、同じくマゼンタチームからやって来た、前回王者のグレープ選手とサニー選手のペアです! これは面白い戦いになりそうだー!』

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ただの紺色(プロフ) - スカル落ちのストーリーはあんまりないので読んでて楽しかったです! (12月24日 2時) (レス) @page23 id: ec9847f949 (このIDを非表示/違反報告)
とある少女 コロイカ 緑チームシリーズ 大好き! - 続き嬉しいです 楽しみにしてます! (2023年4月11日 16時) (レス) @page3 id: 7ed1cae315 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Shinju | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2023年4月9日 20時

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