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「急ぎで悪いが、お前に今から少しでも練習しておいて欲しいことがある。……お前にしか出来ないことだ」
「私にしか、出来ない……?」
Aはよく分からないといった様子で首を傾げる。
「ロビーの射撃場は混んでいるから、ブキ屋の射撃場を借りよう。時間にはかなり余裕があるから、決勝戦が始まるまでには戻って来れるだろう。……一緒に行くぞ」
「えっ……うん!」
言われるがままにスカルを追いかけて、Aはロビーから外に出る。だがその直後、スカルは明後日の方向へと走り出してしまい、Aは慌てて呼び止める。
「ちょっと、そっちは反対方向だよ! ブキ屋はこっち!」
「む……すまない」
何事も無かったかのように、スカルは涼しい顔で戻って来る。その様子が可笑しくて、Aからは自然と笑みがこぼれる。
(バトルの時のかっこいいスカルくんも好きだけど……でもやっぱり、こんな一面もあるスカルくんだからこそ、私はますます好きになってしまう)
隣を走るスカルを横目で見上げながら、Aは想いを馳せる。
(誰に何と言われても……やっぱり私は、スカルくんのことが好きで、スカルくんの隣にいたい。だから――)
階段を降りきって、ブキ屋がすぐそこに見えてきた所で歩調を緩め、弾む呼吸を整える。
(この大会が終わったら、私の気持ちを伝えなきゃ)
そう決意を胸に抱いて、Aはブキ屋の扉をくぐった。
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ただの紺色(プロフ) - スカル落ちのストーリーはあんまりないので読んでて楽しかったです! (12月24日 2時) (レス) @page23 id: ec9847f949 (このIDを非表示/違反報告)
とある少女 コロイカ 緑チームシリーズ 大好き! - 続き嬉しいです 楽しみにしてます! (2023年4月11日 16時) (レス) @page3 id: 7ed1cae315 (このIDを非表示/違反報告)
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