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画面の中では、サニーがヤグラに乗って、カウントリードを奪い取ろうと必死になっていた。
『延長戦はまだ続いている! さあサニー選手、ヤグラを死守できるか! おっとここで迫るカニタンク!』
Aは手に汗を握りながら、サニーとグレープの様子を見守っている。
『いやしかし、グレープ選手、なんと背後に回り込んでいた! カニタンクが崩れ落ちる! ……ここでカウントリードー! 試合終了ー!』
(…………!)
試合終了の笛が鳴り響いた瞬間的、Aは目を丸くした。
『前回王者のグレープ&サニーペア、逆転勝利ー! 前回に引き続き、決勝進出です!!』
同じく大画面を見ていた者たちの歓声とどよめきが、ロビーの中に響く。
「サニー……! グレープ……!!」
「ということは……」
Aとスカルは、共に顔を見合わせる。
「決勝戦の相手は、サニーとグレープ……!」
***
「と、いうわけで」
「本当に決勝で対決することになるとはねー」
ロビーに戻ってきたグレープとサニーを出迎えたAは、既に気合十分といった表情だった。
「サニーもグレープも、本当に凄いと思うよ! ……だから私もスカルくんも、本気で戦うよ!」
「私達も、誰が相手だろうと全力だからね! そして、どっちが勝っても恨みっこなし。お互い、頑張ろう!」
「うん! じゃあ次は……ステージ上でね!」
二人と別れたAの元に、スカルがやって来る。
「決勝戦のステージは、どうやらマンタマリア号らしい」
「マンタマリア号かぁ……よりによって、壁がいっぱいでチャージャーには不利なステージ……」
「ああ。それに、相手は瞬間的な塗り能力に優れたスプラスピナーと、シールドで身を守りつつ、スライドで敵インク上でも軽快に動けるケルビンだ。ラクトの塗りで圧をかけていく戦法は通用しにくい。おまけにスペシャルはウルトラハンコとナイスダマで、どちらもリッターの射程外から攻撃ができてしまう」
「私達にとっては、かなりの強敵になりそうってことか……」
Aは頭を抱える。相手は前回王者であり、パープルチームに勝利した経験もある二人だ。それにチームメイトである以上、Aの戦法は簡単に見抜かれてしまうだろう。
「……だが、勝ち筋はある」
「というと……?」
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ただの紺色(プロフ) - スカル落ちのストーリーはあんまりないので読んでて楽しかったです! (12月24日 2時) (レス) @page23 id: ec9847f949 (このIDを非表示/違反報告)
とある少女 コロイカ 緑チームシリーズ 大好き! - 続き嬉しいです 楽しみにしてます! (2023年4月11日 16時) (レス) @page3 id: 7ed1cae315 (このIDを非表示/違反報告)
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