Chapter2 Splatted by Intent Look - 1 ページ9
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Aが最も使い慣れたブキはラクトだが、それ以外のブキを手に取ることもある。特に自陣塗りが意味を成さないバンカラマッチでは、対面に強いブキを持っていくことが多い。
『現在カウントリード中のアルファチーム、順調にヤグラを進めてはるなぁ』
『いよいよ第2カンモンに到着じゃ! このままアルファチームが押し切ってしまうのかー!?』
Aが挑む、何度目かのS+昇格戦、現在は3試合目、キンメダイ美術館でのガチヤグラだ。……そしてここに至るまでに、既に彼女は2敗している。ここで勝てなければ、また170ポイントをドブに捨てただけになってしまう。
「行け行けーっ!」
Aはヤグラの上でスクリュースロッシャーを振るい、インクの渦を撒き散らす。ヤグラが第2カンモンに到達すると同時にスペシャルが溜まり、彼女はナイスダマを高く掲げる。
「とりゃー!」
ヤグラを奪い返そうと乗り込んできた敵のスプラシューターにそのままナイスダマをぶつけると、インクの大爆発によってヤグラの周囲は一気に安全地帯と化した。そのまま再びヤグラの上へと降り立った彼女は、ヤグラ上に敵のスーパージャンプの着地点が出ているのを見つけた。
(わざわざこんな所に飛んでくるなんて。着地狩りしてくださいって言ってるようなもんだよね)
余裕の表情で、Aはマーカーに向けてスロッシャーを構える。
(このままいけば、きっと勝てる! 大丈夫!)
着地点には、スプラローラーを持った敵が上から飛び込んできて――
――バシャッ!
何が起こったのか、一瞬解らなかった。身体が弾けリスポーンへと飛んでいく感覚で、自分が先程のローラーを着地狩りするどころか、逆に轢かれてしまったのだと理解した。
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