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『おおっと! ビター陣営は残り一人じゃ!このままスカルエリアに誰も近付くことはできないのかー!?』
(残り一人……あと一人仕留められれば、ワイプアイトだ!)
その時、スカルのホップソナーに触れた敵がマーキングされていることにAが気付いた。
「……そこだ!」
カーリングボムを投げて追いかけながら、マーキングの方向を執拗に追いかけていく。塗りで逃げ場を奪い、味方がとどめを刺すと共に、ワイプアウトを知らせる音が響く。
「やったね! ナイス!」
「……ナイスだ」
スカルからの「ナイス」で、Aの戦意はさらに高揚する。スカルの手前、決して負ける訳にはいかない。目を光らせながら、Aは辺りを白へと染めてゆく。
『さあ、ビター陣営も反撃の準備を整えてきたで!』
『残り時間もあと少し! 前線での激しいぶつかり合いじゃー!』
互いのインクが、ボムが、雨あられの如く激しく降り注いで、一進一退の攻防が続いた。
『残り10秒! 9、8……』
相手も相当な実力の持ち主なのだろう。そう簡単にスカルに撃ち抜かれることを許すような動きはしない。あの手この手で対抗しながら、スカルエリアの突破を試みてくる。
『7、6、5、4……』
だが、こちらの武器も、スカルエリアだけでは無い。
『3、2、1……』
Aのスペシャルが溜まった。急いでマルチミサイルを放ち、カーリングボムを投げ、敵陣へと走りながらただひたすらに塗りを残す。
『試合終了ー!!』
笛の音と同時にマルチミサイルが着弾し、カーリングボムが爆発し、地面が激しく揺れた。
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