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やがてステージ中央にスーパーシグナルが出現した。シグナルを取りに行くのはAの役目だ。
「スペシャル溜まったし、準備はOKだよ」
「ああ。行くぞ」
互いに目を合わせ、二人の意思が通じ合うのを確認する。なるべく守備チームが多い方向をロックオンしてマルチミサイルを。そして中央の高台に向けてホップソナーを、同時に発動する。
「スカルくん、左奥だよ!」
「分かった」
マルチミサイルでロックオンした敵をAが追い、逃げさせながらホップソナーのウェーブへと触れさせる。そしてミサイルの爆風とウェーブに巻き込まれた敵を、スカルが半チャージで残らず撃ち抜いていく。
「今だ。敵が少ない今のうちに」
「分かった!」
Aはすぐさま中央へと駆けつけ、スーパーシグナルに触れる。彼女を狙う敵をスカルが撃ち抜き、Aは見事、一つ目のスーパーシグナルを手にした。
『エイ!(ホワイト陣営、見事な連携でスーパーシグナルを確保してくれたね!)エイッ!(さあ、ボクからのエールも受け取って!)』
「やった! 取ったよ!」
「この調子だな」
そのままホワイト陣営は、勢いに乗りながら二つ目のスーパーシグナルも獲得した。後はひたすらに塗りを広げていき、勝利を掴むだけだ。
「状況からして、守備チームは敗色濃厚だ。もう対岸の攻撃チームに味方する必要も無い。……より高みを狙うぞ」
「分かった!」
より多くの貢献度の獲得を目指すということは、もう一方の攻撃チームを裏切り、敵が6人になるということだ。二人で簡単に相手にできるような人数ではない。だがマトイは二つともこちらの物だ。二人で手に取る勝利を信じて、Aはあちらこちらへと動きながら、ミルク陣営のインクもビター陣営のインクも、目の敵とばかりに塗り返していく。裏取りでスカルを狙う者がいれば、ヘイトを引き付けて時間を稼ぎながらスカルに撃ち抜いてもらう。そして最後には、5人をロックオンしてマルチミサイルを放つと同時に試合終了の笛が鳴り響いた。
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