検索窓
今日:15 hit、昨日:7 hit、合計:8,171 hit

5 ページ13

***


「…………」
 0キル1アシスト5デス。結果はマゼンタチームの惨敗だった。
「何もできないリッターでごめんなさい、ブキが重くてまともに動けなくてごめんなさい、ゴミエイムでごめんなさいぃ……」
「まあまあ、初めてなら仕方ないって……」
 涙目のAの肩を、サニーがぽんぽんと叩く。
「で、何でAは急にリッターを使うなんて言い出したんだ?」
 そう尋ねたのはグレープだ。
「あれでしょ、最近Aちゃん、S4のスカルくんと仲良いじゃん! もしかして、スカルくんに影響受けたとか?」
 サニーがすかさず横槍を入れる。
「まあ、そうだけど……」
「だよねー! ってか、Aちゃん、スカルくんのこと好きなんでしょ!」
「えっ!? あ、う、うん……」
 サニーがあまりにも堂々と言うもんだから、気迫に押されたAは思わず首を縦に振ってしまう。
「ふふ、やっぱりね!」
「最近よく一緒にバトルしていると聞いたが、進展はないのか?」
 サニーとグレープに尋ねられ、Aは答える。
「確かに、この前のフェス以来、よく一緒にバトルする仲ではあるけど……でもそれだけ。誘うのはいつも私の方からだし、天然すぎてなんだか押しても引いても手応えがないし、そもそも何考えてるのかよく分かんないし……」
 そこまで言った所で、サニーが「あーっ!」と慌てた声を上げる。
「どうしたの?」
「時間だ! やばい遅刻する! 行かなきゃ、グレープ!」
「時間……?」
 Aが首を傾げると、サニーが説明してくれた。
「そういえば、まだ言ってなかったな。……俺とサニーは、来月のイカップル杯に出場登録している。そしてこれから、それに向けた練習試合の予定があるんだ」
「イカップル杯?」
 初めて聞く単語だ。Aが尋ねると、サニーが得意気に説明する。
「イカップル杯は、二人組のチーム同士で対戦する大会で、二人の仲の良さが試される大会なんだよ」
「好きな子をイカップル杯に誘って告白するイカタコも多くいるらしいね。今回の参加申込期間は過ぎてるけど、不定期に開催してるらしいから、次の大会があった時にはスカルを誘ってみるのはどうだい」
「なるほど……考えとく」
「それじゃ、私達はもう行かなきゃいけないから、今日は解散ねー」
 手を振りながら帰っていくサニーたちと別れ、Aはロッカールームに戻った。

6→←4



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (14 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
11人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:Shinju | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2023年3月19日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。