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「いらっしゃいやし〜!」
「えっと、4Kスコープを……」
「4Kスコープをお求めでしか? メインウェポンの4Kスコープは、リッター4Kに遠くまでよく見えるスコープを付けたモデルでし! スコープによって、全チャージャーの中で最高の射程を手に入れたでしが、チャージ中に視界がせまくなるので……」
「あ、あの……それより試し打ちを……」
ブキチの長話を適当に聞き流しながら射撃場に移動して、早速リッターを担いでみる。
(……重いっ!)
持ち上げる時に、ふんぬっ、と全く可愛くない声が出てしまうほど、想像以上にリッターは重かった。
(リッターって、こんなに重いものなの……? これ明日筋肉痛になったりしないかな? っていうかスカルくんはいつもこんな重いのを担いでるの……?)
やっとの思いでリッターを担ぎ上げて構えたAは、そのままイカバルーンを撃ち抜いていく。本体は重いとはいえ、射撃の感覚に慣れるのに時間はそうかからなかった。動かない的も、一定の方向にだけ動き続ける的も、撃ち抜くのは簡単だ。問題は実戦でどう立ち回るか、動き回るイカタコ相手に狙撃ができるかどうか。せっかくだからナワバリバトルで使ってみよう。あと野良だと迷惑かけそうだからチームメイトも呼ぼう。Aはナマコフォンを取り出し、自身の所属するマゼンタチームのグループトークに早速メッセージを送る。
(『今からナワバリバトルで練習したいんだけど、もし暇なら来てくれない?』……っと)
最近はチームメイトのサニーとグレープが付き合い始めたために、デート優先だからといってバトルに来ないことがあったり、A自身もスカルをバトルに誘う仲になったことで、マゼンタチームで集まることは少なくなっていた(チームの仲は良好だが)。たがこの日は、すぐにチームメンバーで集まれることとなった。Aは余っていたライセンスをブキチに渡すと、精一杯の力でリッターを運びながら、待ち合わせ場所であるロビーに直行した。
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