転校生は婚約者でした 【桃】

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お昼休み、朝のるいの話が気になって結局保健室まで来てしまった。





でも誰もいないみたいだった。





なんとなくベットに腰掛けて外を見ていると、桃澤くんが保健室に駆け込んできた。










『あ、桃澤くんどうしたの？





って、え!?』












桃澤くんは保健室に入ってくるなり、私と同じベットに座ってカーテンを閉めた。










さとみ「女子たちに追われててさ、ちょっ、助けて」










『え？でも……！』










こんなの見つかったらファンに56されるよ!!!










さとみ「まじで今は愛想振りまける気分じゃないから」










愛想って言っちゃってるし……。





本心じゃないのは知ってたけど王子の口からこんな言葉聞きたくなかったな。










だけど確かに桃澤くんの顔は疲れ切っていてさすがに大変そうだ。










『でも、どうやって助けろって言うの？』











さとみ「んー、俺と花火大会行かない？」










桃澤くんの口から出てきた言葉は意外すぎて言葉を失った。










『……!?





え、何で!?誘ってくれる女子たちいるのに』










そんなの他の女子に知られたらそれこそ……










その続きを想像して身震いをする。





しかし、










さとみ「え……ダメ？」










桃澤くんは上目遣いで聞いてくる。











うっ……ズルいわ！その顔！











『……いいよ。一緒に行ける人いなかったし』











さとみ「え、まじ？ありがと！」










桃澤くんの表情がパァッと明るくなった。





それを見て少し私も嬉しくなった……けど











さとみ「これで断る理由できたわ。ありがとう」











『……うん』












そんなのわかっていたはずなのに私は何故か少しモヤモヤしていた。











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