転校生は婚約者でした 【桃】

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髪を整えながら










『あ、見えた！』










校門が見えてラストスパートをかける。





校門の隣には五十嵐先生が立っている。










頑張れ、私の脚!!!










そう言い聞かせて全力疾走する。





と、










キーンコーンカーンコーン










チャイムがなってしまった。





目の前には五十嵐先生。





脚は動かしたまま、覚悟した。





だけど校門に着いたとき五十嵐先生は険しい顔を一切していなかった。










あれ……？





いっつも私が見えた瞬間険しい顔をしだすのに……。










様子を伺いながら挨拶をするとその目には私が写っていないことが分かった。





なぜなら、









五十嵐先生「おはようございます！





桃澤くんっ！





ですが遅刻ですよぉ〜？」










全く仕方ない生徒ですね〜と猫なで声に、軽くボディタッチまでする五十嵐先生。





桃澤くんはそれをいつもの爽やか笑顔で対応する。





と、その時桃澤くんが口をパクパクさせているのに気づいた。









何あれ？金魚みたいw










必死に何か言おうとしている桃澤くんの様子に思わずくすっと笑ってしまう。





と、よく見るとそれは“早く行け”と言ってるように見えた。





ありがとう





と私も返すと五十嵐先生にバレないように走り出した。










桃澤くん神！





後で何か奢ります！





悪魔って言ってすみませんでしたー！










全力疾走しながら、桃澤くんを崇めていた。










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