王神相搏つーその21 ページ46
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「あ、そういえばあれがそろそろじゃない?」
「?なんですか淳さんあれって」
「やだなぁもう。今日の一大イベントだよ。」
とぼけないでよ〜と淳さんはクスクス笑ったけど、なんの事だかさっぱりだ。
俺が首を捻っていると、赤澤さんがああ、と思い出したように言う。
「お前の所の部長と跡部の試合か。」
「朝ごはんの時、面白かったねー。
やるじゃんA、王様と神様に取り合いされるなんてさ。クスクス。」
「ペットも隅に置けないだーね!」
柳沢さんにそう言われてばんばん背中を叩かれる。淳さん、俺は取り合われたつもりなんてないんですけれども。
「ほら、急ご。早く行かないと始まっちゃうよ!」
「え、見に行くんですか!?」
「あったり前!裕太も行こー!」
わくわくしてる淳さんが俺の片手を取って裕太さんへ呼びかける。
話を振られた裕太さんは、慌てて赤澤さんの方を見た。
「い、いいんですかお父さ…間違えた、部長…?観月さん、怒りませんかね?」
「お前…だいぶコイツらに流されてんな…まぁ、見る価値はあるだろ。他校視察とかテキトーなこと言ってれば怒んねーさ。」
裕太さんの目がでも…と迷ったようにさまよう。
俺だけ連れて行かれるのは理不尽だ。そう思って裕太さんの手を掴めば、ぎょっとして顔を赤くされる。
「裕太さんも行きましょ!ここは家族らしく手を繋いで…」
「は!?何言ってんだお前!?意味わかんねーよ!!」
「わははーいいぞーA!しゅっぱーつ!」
上機嫌の淳さんが俺を引っ張って、それにつられて裕太さんも引っ張られる。
「…俺らも手ぇつなぐのか?」
「赤澤、乗せられると面倒だーね。
……と言うより、ペットと手を繋ぐのはおかしいだーね…」
取り残された赤澤さんと柳沢さんが目を見合わせた。
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「け、結構人いるんですね…」
試合が行われるのはど真ん中の氷帝コート。
よく考えれば試合理由はあれだけど、名だたる強豪校の部長同士の対決だ。そりゃあみんな気になるか。
「あーあれ、A待ちなんじゃない?」
「え?あー、あれは…」
淳さんに言われて指さされた方、コート内のベンチを見ると、幸村部長がこちらを見てにっこり微笑んで、そのままおいでおいでと手でポーズを取っていた。
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木こりのコロポ(プロフ) - 日吉和菓子2円さん» コメントありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2018年4月30日 0時) (レス) id: 43368e3037 (このIDを非表示/違反報告)
日吉和菓子2円 - ルドルフ組が可愛かったです! (2018年4月29日 22時) (レス) id: 9521c565b3 (このIDを非表示/違反報告)
木こりのコロポ(プロフ) - 第一部隊さん» コメントありがとうございます!ルドルフの中だと淳が好きなので、かなり淳との会話が多くなってしまったかなと思います…!お気に召して貰えたならなによりです! (2018年4月29日 19時) (レス) id: 43368e3037 (このIDを非表示/違反報告)
第一部隊(プロフ) - ルドルフかわいかったです!家族設定面白い!ありがとうございました! (2018年4月29日 18時) (レス) id: 91bd124fa4 (このIDを非表示/違反報告)
木こりのコロポ(プロフ) - 暁月さん» ご指摘ありがとうございます!訂正しました! (2018年4月29日 13時) (レス) id: 43368e3037 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:木こりのコロポ | 作成日時:2018年4月14日 8時