王神相搏つーその13 ページ38
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「お恥ずかしながら未だ「子」は取れず…そんな戒めの気持ちでこの名前を請け負ってるつもりだよ。」
「そうですよね、そうですよね!さっすが部長!それが確認したかっただけです!」
俺がそう言いながらぶんぶんと握手するように握った手を振って、では仕事に行って参りますと言い手を離せば、部長はふっと吹き出した。
「え、それを確認するためにわざわざ来たの?変な子。」
「うっ、今回ばかりは笑われても怒れません……自分でも変な事言ったって思ってるし…」
「もう、半分冗談なんだから重く受け止めないでよ。ほら、仕事あるんでしょ?行っておいで。」
「あ、そうだった!ありがとうございましたー!」
手を振る部長に頭を下げて、俺はテントへと走った。
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「お疲れ様ですっ、観月さん!」
軽く息が上がったままテントに座っていた観月さんに声をかける。
「こんな炎天下の中でそんなに急いだら危ないでしょう。ちゃんと急がなくてもいい時間に計画的に動きなさい!」
「う、すみません…ちょっと急ぎの用事があったので…」
「全く、貴方が倒れたら代わりはいないのですからね!ちゃんと水分補給をするんですよ!?」
「はーい」
お母さん観月さんにペットボトルを渡されて、次の係へと向かっていく観月さんに行ってらっしゃーい手を振る。
「…もしかしてこのペットボトル、飲みかけ?」
え、だとしたら観月さんは俺が走ってきたから慌てて自分の飲み物を渡してくれたのか?
ちょっと申し訳ないなと思いつつペットボトルに口をつけると、
「っ、加賀さん…!」
誰かが走ってくる。
まさか、誰かが怪我したのかな!?とその人を確認して、俺はちょっと驚いた。
「伊武さん?」
あの無気力系男子伊武さんが、汗を垂らしながら息を切らしていたのだ。
「どっ、どうしました!?」
「っ、はぁ…あ、いや、別に俺が怪我した訳じゃないから…ちょっと来て欲しいんだけど、」
息を整えつつ普段の調子を取り戻した伊武さんにちょっとほっとする。が、しかし。
「ならよかったです、じゃあどうされたんですか?」
「ああ、ちょっとアキラが倒れただけだから…」
と平然とした顔で言われて今度は俺が慌てる番だった。
「お、お、大事じゃないですか、え、コートで!?」
「うん」
「早く行きましょう!!」
息をまだ切らしている伊武さんに悪いと思いつつ俺は走り出した。
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木こりのコロポ(プロフ) - 日吉和菓子2円さん» コメントありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2018年4月30日 0時) (レス) id: 43368e3037 (このIDを非表示/違反報告)
日吉和菓子2円 - ルドルフ組が可愛かったです! (2018年4月29日 22時) (レス) id: 9521c565b3 (このIDを非表示/違反報告)
木こりのコロポ(プロフ) - 第一部隊さん» コメントありがとうございます!ルドルフの中だと淳が好きなので、かなり淳との会話が多くなってしまったかなと思います…!お気に召して貰えたならなによりです! (2018年4月29日 19時) (レス) id: 43368e3037 (このIDを非表示/違反報告)
第一部隊(プロフ) - ルドルフかわいかったです!家族設定面白い!ありがとうございました! (2018年4月29日 18時) (レス) id: 91bd124fa4 (このIDを非表示/違反報告)
木こりのコロポ(プロフ) - 暁月さん» ご指摘ありがとうございます!訂正しました! (2018年4月29日 13時) (レス) id: 43368e3037 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:木こりのコロポ | 作成日時:2018年4月14日 8時