【松岡凛】ばーか (ページ7)

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◯

『ごめん、ごうちゃーん！』

「もう、遅いですよ！お兄ちゃんと話せましたか？」

『うん、ちょっとだけだけど』

1人で作業任せちゃってて、先輩失格だね…

いつの間にか竜ヶ崎くんは着替えていて、今からまこちゃんが泳ぐところだ。

「おっ、」

『？ごうちゃん、どうかした？』

「いや、なんでもないです」

『？』

なぎちゃんが泳ぎ、竜ヶ崎くんがスタート台に乗る。

「綺麗なフォームだ」

完璧なフォームだけど…何か嫌な予感がする。

ピーッという笛の音と同時に、スタート台から飛び、落ちた。

『うわぁ…』

「「えーっ？！」」

「あ、あれ？浮いてこないね…？」

「ちょっ、やばいんじゃ…？！」

『…あ、』

プールサイドぎりぎりまで行って、水着を着ていない事を思い出した。

はるちゃんが水に飛び込んで、竜ヶ崎くんを助けてくれた。

「良かったぁ…」

⚪︎

竜ヶ崎くんは落ち込んでいるらしく、膝を抱えて座っている。

と、はるちゃんの番が来た。

『はるちゃんの泳ぎ、見ててね』

「？」

水に入り泳ぎ始めると、竜ヶ崎くんは思わず立ち上がってしまっていた。

私もはるちゃんみたいに泳げたらなぁ…

りんちゃんも、私の事ももっとちゃんと見てくれてた…のかな……

⚪︎

なんだかんだあり、竜ヶ崎くんも正式に水泳部に入ってたところで、私たちはなぜ竜ヶ崎くんが浮かないのか問題にぶち当たっていた。

『もっと顎引いてみれば？』

「こう…ですか？」

『うんうん』

試しに泳いでみると、さっきよりはマシになったものの、やはりまだ沈む。

『…おへその辺り突き出してみたら？』

やっぱり少ししかマシにならない。すぐ沈む。

『……………ダメだ』

⚪︎