【松岡凛】ばーか (ページ4)

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「うちみたいに屋内プールがない学校は、こういう場所を借りて練習すれば良いとおもって！」

と言ってチラシを見せながら話すごうちゃん。

「お金は？」

「そこはもちろん、部費で！」

『無理でしょ』

⚪︎

「そんなの無理に決まってるでしょ？」

『やっぱり…』

「えぇ、なんでですかー？」

としょぼくれているなぎちゃんに、先生が淡々と話し始める。

実績がない部に、そんなに沢山部費が出るわけがないのは当たり前だ。

…次はこれが水泳部の目標か、！

⚪︎

『はるちゃん、まこちゃん。』

「ん？」

『私、りんちゃんに今度あったら、一回殴ろうと思う』

「そっか…って、え？！」

私の言ったことに、驚きを全く隠せていないまこちゃん。

はるちゃんも目を見開いている。

「えっ、え…なんで？！いくらなんでもそれはやりすぎじゃない？！」

『だって…だって…全く連絡くれないんだよ？！帰国してたのだって、最近まで知らなかったし……約束したのに…りんちゃんと…！』

「っ…！」

◯

『え…？りんちゃん、同じ中学校行かないの？』

「うん。オーストラリアに、水泳の勉強しに行く」

オーストラリア…？

日本国内でもない所に行くとなると、当分会えなくなる。

そう思うと、寂しさと同時に涙が込み上げてきた。

『やだ…やだよ…会えなくなるなんていやあ！』

私だけじゃない、まこちゃんも戸惑っている。

はるちゃんも、無表情だけどきっと動揺している。

『…私もオーストラリア行く！！』

「それは無理だろ？！」

『うっ…ぐすっ…』

「な、泣くなって…」

そんな事言われても、次会えるのがいつかわからないから涙は止まらない。

『帰ってきたらちゃんと教えてね？帰ってきたら、ぎゅってしていい？』

「！……うん、もちろん！」

『約束……だよっ』

◯