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欲しいもの ページ42

座ってればニックンは小さいし

乗客の誰もが
景色に夢中で
私達のことなんて気にも留めない。


まだ蒸し暑いバンコクの夕暮れ、
頬を撫でる風が心地良かった。




さっきは
女装したニックンに

サングラスしてたら
絶対にニックンってわからない、
ニックンに見えないって
そう言ったけど・・違う。


ニックンは
女装してても
ちゃんと、ニックンだった。



短い時間だったけど
船上での時間を満喫した私達。


ホテルに戻ると
もう2人に残された時間は
殆ど・・なかった。




空港に向かう為に
荷造りする私と

そんな私をベッドに腰掛けて
眺めてるニックンは


さっきの素敵な時間を振り返り
会話を楽しんでた。




「ニックンに何かお返がしたい
・・欲しいものない?」


パッキングをほぼ終えて
着替え始める私。



「何もいらないよ
昨日もたくさんプレゼント貰ったし」



「そう・・?」



ニックンはいつも、そう言う。

何も欲しがらないし、
何でも持ってるから
彼へのプレゼント選びは
本当に難しい。


だけど、
何か別の話題になって暫くして
突然ニックンが言った。


「そうだ、香水が欲しいんだけど」


それが、すごく嬉しかった。


「香水?
どこの香水がいいの?」


着替えてた手を止めて
私はニックンを見る。



「ヌナのいつもつけてる香水がいい」


「私の?女性用だよ・・?」


「いいよ
ただ、持っておきたいだけだから」


ニックンはそう言って
小さく微笑んだ。



「いいよね・・?」



・・ああ・・だめ。
ニックン可愛すぎる。



私の使ってる香水を
ただ持っておきたいって
そう言ったニックンが

彼のことが大好きな私を
幸せで満たしてくれる。




「じゃあ、私にも
ニックンの香水頂戴」



ニックン越しに見える
窓の外の景色は
昨夜と同じ・・クルーズ船の灯り。


だけど
昨夜と違うこと。


2人の時間は・・もうすぐ終わる。



だから幸せと同時に
小さな感傷にも襲われる。




「くれる・・?」



しっかり視線を重ねて
ニックンを見つめると

私の胸は
いつもと同じように
彼への想いで埋め尽くされる。



ニックンが・・好き過ぎる。




「いいよ、おいで」



微笑むニックンが
私に向かって手を伸ばす。

それは別に今ニックンが私に香水を渡すとか
そういう事じゃなくて

ただ、私を抱きしめたくて
そうしたんだって

すぐに、
それを感じ取ることが出来た。


だって、
私もニックンと同じ気持ちだった。

別れのとき→←夢の時間



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胡麻油(プロフ) - vol.624まで読みたいです♡笑 (4月14日 21時) (レス) @page44 id: 5d4609bdae (このIDを非表示/違反報告)
凛生(プロフ) - 麻樹子さん» ありがとうございます(°▽°)覚えていて下さってまた読みに来て頂き感謝の気持ちでいっぱいです。この先もドキドキして貰えたらいいな(^-^) (3月1日 17時) (レス) @page12 id: 604374d13e (このIDを非表示/違反報告)
麻樹子(プロフ) - 凛生さん、お久しぶりです。長い間ずっと待ってました。今は2PMのお話が更新されなくなりとても淋しい気持ちでした。またドキドキするお話を拝見する事ができてすごく すごく楽しみです。ありがとうございます。 (2月28日 20時) (レス) @page10 id: 844b947a69 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:凛生 | 作成日時:2024年2月16日 20時

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