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翌日、私はスカートのウエストを二つ折って、家を出た。膝丈だったスカート丈は膝上になり、なんだか落ち着かないまま最寄りの駅まで歩き、電車に乗った。

(色気、.......かあ)

だから、倫也先輩との進展がないのかな。
こんなことは恥ずかしくて誰にも言えないけれど、はやく身も心も、彼のものとなりたい。なぜなら、心を揺らされる何かに、気づきはじめてしまったから。


「はよ」
「おはよう、.........って、菅田?!」
「菅田やで。なんやねん、朝から声でかいで」

目立ってんで、と、呆れた顔して私を見下げる。それなりに混んでいる車内で、いつの間にか目の前に立っているから本気で驚いた。周囲の視線が痛い。


「な、なんで?電車通学...だった?」
「んや、ちゃう。けど今日はなんとなーく。そしたらお前乗ってくるし、運命やな?もはや、んははは」
「.......、いつもは、自転車?」

運命とかなんとか、そんなのはスルー。
なんかツッコんでや、と少し不貞腐れている。

「いつもは、運転手付きの車で送迎」
「普通に聞いてるのに」

冗談ばっかり言う菅田に文句を言うと、ほんまやで、とちょっと困った顔をして言った。わからない、彼のこと。私にちょっかいを出すのも、多分きっと気まぐれなんじゃないかな。


「ねえ、それ、けがしたの?」
目元に貼られた絆創膏に気づく。正方形の、大きめのものだ。

「あー、まあ」
言葉を濁すから、言いたくないんだろうなと察した。

「喧嘩?」
「めずらしい。興味あるん?俺に」
「..........、もういい。聞かない」

いちいち揶揄うように言われるが嫌で、そこで言葉を切った。すると、「ごめん、拗ねんとって」言って私の片頬を柔らかくつねる。

「ほんで可愛いな、拗ねた顔」

きゅっと目尻をあげて、笑った。
笑んでいるのに、鋭い眼光。視線が外せなくて、焦る。

「喧嘩っちゅーか、家庭内の揉め事みたいな?」
「そー、なんだ。大丈夫?」
「だいじょぶ、だいじょぶ。慣れてるから」

それに、朝からAに会えたから元気ンなった。ってにーっと笑って、これはきっと本心なんだろうと、思ってしまって、心が苦しい。揺さぶられている。

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設定タグ:菅田将暉 , 中村倫也 , 高校生   
作品ジャンル:タレント
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ヨーコ(プロフ) - ドキドキ止まりません!最高です!更新楽しみにしています♪ (2020年4月4日 20時) (レス) id: b9e84898e5 (このIDを非表示/違反報告)
その(プロフ) - ゆんさん» ありがとうございます〜!楽しみにしていただけて嬉しいです。そろそろ終わりに向けて、と思ってますが、もう少しお付き合いくださいませ♪( ´▽`) (2020年2月6日 21時) (レス) id: 55b0c33bda (このIDを非表示/違反報告)
その(プロフ) - ショウさん» いつもありがとうございます〜!寒いの苦手なのは倫也さんのリアルを意識してみました( ´ ▽ ` )もうしばらくお付き合いくださいませ! (2020年2月6日 21時) (レス) id: 55b0c33bda (このIDを非表示/違反報告)
ゆん - 更新とても嬉しいです!題名が2匹と書かれていたのでドキドキしながら読みました!そのさんの作品を見るのが今の私の楽しみです!少女漫画のようにきゅんきゅん毎回させてもらえて幸せな気持ちになります!これからも応援しています! (2020年2月6日 15時) (レス) id: 57aaad4ad9 (このIDを非表示/違反報告)
ショウ(プロフ) - 感想遅くなりましたが、らいおんの告白とても胸に響きましたっ!2匹のやり取りの続きもとても楽しみに待ってます、おおかみが寒がりなところ保温ポット愛用されてるのでピッタリですね 笑 (2020年2月5日 15時) (レス) id: bd7e526c97 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:その | 作成日時:2019年12月10日 12時

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