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休み時間は、久々に学校にきた菅田に、そして金髪から真っ黒の髪色に変わった彼に、クラスメイトが殺到していたから会話することもなく、彼から話しかけてくることもなかった。
4時間目、プリントを後ろから回収するとき、小さな紙切れが手渡される。
〈昼休み、屋上〉
とだけ書かれていて。
チラ、と後ろを見れば、来いよ？という風にウンウンと肯くから、私はそれに返事をするように首を横に振る。
(行けない)
私をそこへ呼ぶ理由が、なんだったとしても、それはよくない。
倫也先輩の顔が浮かんだ。
「共犯者やろ」
「もう俺はライオンでもないし」
「言うなればただの、かわいい」
そこまで言って、ノートにシャーペンで何か書き始める。
びりびりと千切って渡されたその紙に書かれていたのは、下手くそな猫のイラスト。
「....黒猫？」
にゃーお。
と、首を傾げながら菅田は本物の猫みたいな声で鳴いて、誰だ猫を教室にいれたやつ！と、先生が半分冗談を言いながら叱った。
なんだか気が抜けて笑ってしまう。
「せやから、大丈夫。待ってる」
私は静かに肯いて、プリントを前にまわした。
昼休み、いつものグループでのお昼ご飯を早々と済ませて、ちょっと用事があるから、と盛り上がるガールズトークから抜け出した。こういう小さいことが溜まっていくんだよなあ、と、胸が痛んだけど、菅田との約束を破るわけにもいかない。
屋上までの人気のない階段を足早に進んで、三年生のフロアを通る時は少しドキドキした。
(やましいことなんて、なにもない)
(ほんとに？)
普段開放されている場所ではないのに、屋上へ繋がる扉の鍵は開いていた。
重い扉を押して、拓けた場所に出れば、目前に青空が広がる。
あたりを見渡しても菅田の姿はなくて、肩透かしをくらったような気分になった。
気まぐれだったのか、私が来るのが遅くてもうどこかへ行ったのかも、理由をつけて踵を返すと、頭上から声が降る。
「A、こっち」
今しがた私が扉を開けて出てきた建物の上に、うつ伏せで肘をついた状態の菅田がひょこっと顔を出して見下ろしている。手招きをして、「そこにはしごあるから、昇ってきて」言って指差した。
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ヨーコ(プロフ) - ドキドキ止まりません！最高です！更新楽しみにしています♪ (2020年4月4日 20時) (
レス) id: b9e84898e5 (このIDを非表示/違反報告)
その(プロフ) - ゆんさん» ありがとうございます〜！楽しみにしていただけて嬉しいです。そろそろ終わりに向けて、と思ってますが、もう少しお付き合いくださいませ♪( ´▽｀) (2020年2月6日 21時) (レス) id: 55b0c33bda (このIDを非表示/違反報告)
その(プロフ) - ショウさん» いつもありがとうございます〜！寒いの苦手なのは倫也さんのリアルを意識してみました( ´ ▽ ` )もうしばらくお付き合いくださいませ！ (2020年2月6日 21時) (レス) id: 55b0c33bda (このIDを非表示/違反報告)
ゆん - 更新とても嬉しいです！題名が２匹と書かれていたのでドキドキしながら読みました！そのさんの作品を見るのが今の私の楽しみです！少女漫画のようにきゅんきゅん毎回させてもらえて幸せな気持ちになります！これからも応援しています！ (2020年2月6日 15時) (レス) id: 57aaad4ad9 (このIDを非表示/違反報告)
ショウ(プロフ) - 感想遅くなりましたが、らいおんの告白とても胸に響きましたっ！2匹のやり取りの続きもとても楽しみに待ってます、おおかみが寒がりなところ保温ポット愛用されてるのでピッタリですね 笑 (2020年2月5日 15時) (レス) id: bd7e526c97 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：その | 作成日時：2019年12月10日 12時
