らいおん5 ページ36
月曜。
後ろの席は空いたまま、既に2時間目がはじまった。
学校来るって、言ってたのにな。
昨日の夜はなんだか目が冴えた。疲れているのに、寝付けなくて。
倫也先輩との時間を反芻して、顔から火が吹き出そうなほど恥ずかしくなったり、あれで良かったのかと不安になったり、ああ幸せだなと、思ったり。
(まだ、痛いな)
「お前は安売りすんな」
そう言っていたな。ぼんやり菅田の言葉を思い出していると、がららと教室の後ろのドアが開く音がする。
菅田、遅刻だぞ、と。
現代文の気弱な先生が、申し訳程度に注意した。教室はざわついて、その原因は、菅田を見ればすぐにわかった。私も驚いて、彼に視線が釘付けになる。
「さーせん」
悪びれず謝罪を述べた菅田は、たらたらと歩いて、私の席の後ろ窓際の一番後ろの席に、がっ、と乱暴に椅子をひいて、どかっと座った。ふふん、と私を見て、してやったりというような顔で片方の口角を上げている。
おーい、授業続けるぞー。先生の声に、クラス全員が菅田に好奇の目を向けていたけれど、仕方なく黒板に戻された。
私はどうしても、前を向けなくて。
体を捻って、菅田と見つめあっている。
「その髪、」
「どう？似合うてる？」
「......、」
「ふはは。黒髪も、けっこうかっこええと思うねんけど」
「どうして？」
「喪に服してんねん」
「喪に」
「喪、に」
Aが、誰かさんのモンになったから。
ぐいっと近づいて、私にだけ聞こえるようにそう囁いた。
そこー、私語つつしめー。注意されて、やっと私は前を向いた。
はあ、と息を吐く。
彼はライオンじゃ、なくなった。
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ヨーコ(プロフ) - ドキドキ止まりません！最高です！更新楽しみにしています♪ (2020年4月4日 20時) (
レス) id: b9e84898e5 (このIDを非表示/違反報告)
その(プロフ) - ゆんさん» ありがとうございます〜！楽しみにしていただけて嬉しいです。そろそろ終わりに向けて、と思ってますが、もう少しお付き合いくださいませ♪( ´▽｀) (2020年2月6日 21時) (レス) id: 55b0c33bda (このIDを非表示/違反報告)
その(プロフ) - ショウさん» いつもありがとうございます〜！寒いの苦手なのは倫也さんのリアルを意識してみました( ´ ▽ ` )もうしばらくお付き合いくださいませ！ (2020年2月6日 21時) (レス) id: 55b0c33bda (このIDを非表示/違反報告)
ゆん - 更新とても嬉しいです！題名が２匹と書かれていたのでドキドキしながら読みました！そのさんの作品を見るのが今の私の楽しみです！少女漫画のようにきゅんきゅん毎回させてもらえて幸せな気持ちになります！これからも応援しています！ (2020年2月6日 15時) (レス) id: 57aaad4ad9 (このIDを非表示/違反報告)
ショウ(プロフ) - 感想遅くなりましたが、らいおんの告白とても胸に響きましたっ！2匹のやり取りの続きもとても楽しみに待ってます、おおかみが寒がりなところ保温ポット愛用されてるのでピッタリですね 笑 (2020年2月5日 15時) (レス) id: bd7e526c97 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：その | 作成日時：2019年12月10日 12時
