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涙は出なかった。
情報量が多すぎていまいち入ってきていない部分もあるからかもしれない。
事実は小説より奇なりという。
想像より遥かに彼らが深く関わり、想像より遥かにその経緯は複雑で壮絶。
どこをとっても悲劇としか言いようがなかった。
布団を被っているはずなのに手足が凍るほど冷たくて寒い。
それに気づいたのか分からないが、重ねていた手はいつの間にか逆転していた。
あたしは、藤井に随分酷い仕打ちをしてしまったようだ。
何も知らなかったとは言え決して彼を傷つけていい理由にはならない。
謝らなきゃならない。
｢…小瀧｣
『ん』
｢藤井に、電話出来る？｣
もうだいぶ夜も更けた。
今からとは言わなくても、謝りたい旨だけ伝えられればいい。
藤井だって小瀧だって苦しんだのに。
あたしは本当に自分の事しか考えていなかった。
通話音が静かに耳元で響き始める。
小瀧から渡されるそれを受け取って、彼の声を待つ。
5秒過ぎ、10秒が過ぎ、15秒…20秒…
機械が諦めるまで待ち続けたが電話の向こうからは何も聞こえない。
寝てしまったのかな。
色んなことがあった一日だから疲れも溜まっただろう。
原因は、あたしなのだけど。
｢出ない。携帯ありがとう｣
『珍しいな、LINEだけしとくわ』
｢…ごめんね｣
横で小瀧がLINEを打つ音がポチポチ聞こえる。
何となく、嫌な予感がした。
本当に寝ているだけならいいと、そう思った。
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カジャ(プロフ) - ももせ/さん» 初めまして、とても嬉しい言葉ばかりで感激です。重めの話ばかりで恐縮ですが、そう言って頂けると書いてきて良かったなと思います。こんな話でよければどうぞお楽しみください (2021年12月18日 22時) (
レス) id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
ももせ/(プロフ) - はじめまして。いつも楽しく作品を拝見させていただいております。過去作品もどれもとても好きなのですが今作品はまた少し違った雰囲気でとても面白く読んでおります。毎日少しずつでも更新されるのが本当に楽しみです。どうかご無理のない範囲で、引き続き応援してます (2021年12月17日 2時) (レス) @page12 id: 13d7ddc5f9 (このIDを非表示/違反報告)
カジャ(プロフ) - りりぱんださん» 前作に続きコメントありがとうございます。直接言葉を頂けるのが何よりの励みです、お楽しみいただければ幸いです (2021年12月16日 17時) (レス) id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
りりぱんだ(プロフ) - 更新いつも楽しみにしてます！無理せず作者様のペースで更新してください！楽しみに読み続けます◎ (2021年12月10日 0時) (レス) @page5 id: e017cd0bab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カジャ
| 作成日時：2021年12月8日 17時
