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Experiment ページ30

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薄らと瞳を開ける。
ゆっくり起き上がって一度欠伸をしてベッドから降りた。
机の上の時計を確認するともうとっくの昔にホソクが帰ってきている時間で僕は髪を手櫛で軽く整えてから団長室を出る。
丁度僕に話があったのかチヨンから連絡が入った。
最近団員に配った専用の端末は中々使いこなせなくて少し手間どってからメッセージを開くと、開発中の薬品のことで相談があるみたいでまずはチヨンの元へ行くことにした。


「早かったですね」
「丁度起きたんだ、用って?」


救護室に入ると薬品の独特なツンとした匂いが鼻をついた。
奥の方から声が聞こえて椅子に座って待っているとぴっしりとした綺麗な白衣に身を包んだチヨンが小さなガラス瓶を持ってカーテンを捲って出てきた。


「開発中の物が出来たので実験台になって欲しくてお呼びしました」
「ああ!この前の」


スポイトでその液を吸い取ったのを見て腕捲りをして差し出す。
こうして色んな薬品を開発するにもダンピールの協力が不可欠なのでよくチヨンの実験台になっていた。
最初にチヨンからの一斉連絡が来た時に血が薄めの僕は過剰な反応を起こす危険が一番低いから自ら名乗り出たのだ。

スポイトの粘液がスポイトの先から僕の腕に垂らされた。
じわりと熱くなってきて段々とその下の皮膚が赤く腫れ、少し痛みが出てきて「凄い」と声が出た。


「どうですか?」
「凄くピリピリする感じ…」
「おお!良かった、成功ですね」


すぐに洗浄綿で拭き取られて液体があった箇所の形に赤くなった場所を少しかいた。
チヨンが腕を見ながら僕にいくつか質問をして書類に結果を書き込んでいく。


「布の上からと、あと顔もお願いしたいです。実践の時を想定したいので」
「ああ、好きなだけやって欲しい。団員のためにもなる事だからね」


傍にあるベッドに横になれと言われたのでそうしているとチヨンがまた用意をしてローラーのついた椅子でそのまま傍に近寄ってきた。
まずは顔からやるようで前髪を指で避けられたので目を閉じると顔を少しだけ横に傾けられる。


「すみません、チヨンさん。食堂のおばちゃんの指に小さな傷が……あっ」
「ホソク」


引き戸が開いてホソクの声が聞こえて僕が起き上がるとチヨンは「分かりました」と手を止めて立ち上がった。
ホソクが顔を赤くしたり青くしたりしながら隅っこの方で縮こまって立ち尽くしているのを不思議に思っていると絆創膏を持ったチヨンが戻ってきた。


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作者名:ユウたろー | 作成日時:2023年10月29日 23時

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