検索窓
今日:4 hit、昨日:21 hit、合計:6,840 hit

Growth ページ26

.


新しい施設の暮らしにも慣れた頃、チヨンはここに来てからほとんど救護室に篭もりきりで研究を続けている。

団員はというとちらほら増えてきて少し知名度もまた上がってきたようではるか昔に家族や恋人を失った人達も僕達の元へ駆け込むようになっていた。
それでも吸血鬼に出会うのは一ヶ月に数回程度で各自で他にバイトをしたり、猫探しや庭掃除のような何でも屋みたいな事も引き受けている。
そうすれば大幅に黒字で僕は毎回書類を見て安心していた。

嫌な顔ひとつせずに“どんな仕事でも人の役に立ちたい”とそういう思いを抱く数名の団員達は今日も朝から、昼からと忙しく街を駆け回っている。

そうして助けた人達の中から手助けをしたい、と団員達の中でも血液が必要なダンピールのために血を提供したいと言ってくれたり食堂で働きたいと言ってくれる人も出てきて大分ここも賑やかになっていた。


「おはようございます!」
「ホソクくん、おはよう!今日も元気だねぇ、学校頑張りなよ」


食堂で働く一人の女性がひょっこり顔を出してまだまだ新しい制服に身を包むホソクに朝食を差し出した。
僕は朝帰りだったので今は寝る前に軽くお腹を満たすための食事をしているところで、ホソクは僕に気づいてトレーを持ってこちらに歩いてきた。


「おはよう」
「おはようございます!あれ?ヘジンヒョンは…」
「ああ、疲れたみたいでもう寝ちゃったんだ。ヘジンは昨日は昼からずっと猫探ししてたみたいだから」


あぁと頷いて朝食を食べ始めるホソクはまだまだやはり最年少で皆から可愛がられている。
今では食堂の手伝いをしたり、施設を掃除して回ったり、皆と話をしたり色々自由にしているようでヘジンからは訓練も手を抜かずに頑張っていると聞いた。
まだ寝癖の残る髪の毛を微笑ましく思いつつも僕もあたたかいスープを飲んだ。


「ここが賑やかになって嬉しいです、友達もいっぱい増えました」
「そうだね、僕も嬉しいよ。皆のおかげだな…」
「たまにAさんの作ってくれたスープが恋しくなる時もあります」


くすくす笑って比べ物にならないくらいにクオリティの上がった食事を見て僕は苦笑いを浮かべてしまった。
やはり料理に慣れた人の作るものは全く違う。
何が入っているのかは詳しくないのでわからないが最初に一口飲んだ時は三人で「わぁ…」と口を揃えて感動したものだ。

.

・→←・-HS side-



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (12 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
125人がお気に入り
設定タグ:BTS , 男主 , ホソク
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ユウたろー | 作成日時:2023年10月29日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。