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一旦外へ写真を印刷してから各自部屋の整頓をする事になって僕は持ち物が少なかったからすぐに終わってしまいベッドで寝転がっていた。
いつもヒョンとぎゅうぎゅう詰めになって寝ていたから凄く広く感じる。


「ふふ、ヒョン変な顔」


他にもこっそり撮っていた写真も一緒に現像してもらったけれど料理をしているヒョンや寝ているAさん、もうお別れしてしまった部屋が映る中、朝に撮ったAさんの所で手が止まった。


「Aさん…」


日に日にAさんへの想いが募る。
Aさんとヒョンと三人で過ごす日々は楽しいけれど、僕が分からない話をする二人が何だか凄く……お似合いのように見えてしまって辛くなる時がある。
あの二人に限ってそんなことは無いんだろうけど、Aさんが怪我をした時のヒョンの信じる目とか僕を励ますヒョンの大きな手とかそういうのが僕とは全然違うんだ。
まだ子どもだから疎外感を感じるのかもしれないけれど、Aさんの目に僕はどう映ってるんだろうか。

今日はヒョンの家族の写真を見て苦しくなった。
Aさんには言わなかったけど古い本から出てきた古びた手紙はきっと母親からのものなんだろう。
二人とも家族に愛されていて、僕は小さな頃を思い出した。
両親共、少しのお金を置いてすぐに出て行き中々家に帰って来なかったから自分のことは自分でするようになっていたしそれが当たり前だとも思っていた。


「僕は本当に家族になれてるのかな」


二人とも優しい目で見てくれるけど、家族なんて知らないからそんな不安を消したくても消せない。

ぼんやりとそんなことを思っていると突然扉を三回叩く音が聞こえて急いで開ける。


「はい!」
「ホソク?入っていいかな」


部屋の片付けを終えたんだろう、Aさんが立っていた。
二つ返事で部屋に入ってもらって机の傍に置いてある椅子に座ってもらい僕はベッドに座る。
特に代わり映えの無い部屋をぐるりと見渡して手に持っていた写真立てを差し出した。
木で作られた可愛い鳥が二匹額の上に止まっていて精巧に草木が彫られている。
随分と可愛い写真立てはAさんの趣味だろうか。
前の家にもこういう木彫りの小さな動物たちがちらほらと色んなところにいた。


「使ってなかったものが出てきたから、写真も撮ったしいるかなって思って」
「わあ!ありがとうございます!」


早速写真を入れて机に飾る。
今の僕達を切り取った写真。すごく嬉しい。


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作者名:ユウたろー | 作成日時:2023年10月29日 23時

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