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A new chapter ページ21

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──僕が腕に大きな怪我をしてから数年が経ちヘジンは本格的にハンター業をこなし始めていた。
ホソクは徐々に銃の扱い方や弾丸の手入れをヘジンから教わっているようだ。
まだ早いんじゃ、と言った僕にヘジンは「こういうのは早い方が良いんですよ」と熱心に取り組んでいる。
ホソクも毎日懸命に射撃訓練や体力作りに励んでいた。

そして、チヨンの話は本当だったようで僕たちの話を耳にしたダンピールの男の子が一人新しく協力したいと申し出てくれた。
僕と同じように一人で活動をしていたらしいがその方法が銀の杭を心臓に打ち込むという何とも古典的だったために今僕が銃を教えている所だ。

あれから依頼料も順調に増え、ヘジンが貯めてくれた資金とチヨンのツテもあり安く少し大きめの施設を建てることが出来た。
基本的に僕達は隠れて動いているので目立たぬように辺鄙な場所ではあるが中々立派だ。

建物の設計はほとんどチヨンが考えてくれたが場所やこれから増えるであろう団員のために部屋もある。
小さな食堂はさすがにすぐに動かすのは無理だろうが…僕達の大きな一歩と言えるだろう。


「いよいよですね!」


良く晴れた日の午後。
雪が降っていた外も春の陽気に照らされて新しく命が吹き込まれはじめている。
ダンボールに纏められた僕達の荷物をトラックの荷台に詰めていく。
ホソクが持っている最後の一箱を最後にトラックはヘジンの待つ新しい施設へ走って行った。


「学校が変わって大変だろうけど…」
「僕は平気です!それより、本当にいいんですか?バスで学校までなんて」
「大丈夫。遠いから歩くと大変だよ」


施設の場所の事もあり僕とヘジンは運転免許を取った。
行ける地域も増えて一石二鳥だった。
今まで倒した吸血鬼の事を纏めてある書類など大切なものは僕が運ぶことになっているからちゃんと全て乗せたか確認する。
後ろのトランクをしめて、暫く三人で過ごしたアパートを見上げた。


「三人だと少し窮屈でしたけど…楽しかったです」
「そうだね…長いようで短かったなぁ」


ざわりと春風が拭いて周りの桜が舞い散った。
ぱち、と何か音がして振り返るとホソクがインスタントカメラを構えて僕を写している。


「あれ、いつの間に?」
「昨日学校が終わったあとにこっそり買っちゃいました!皆で全然写真撮ってないなって思って」


見せてもらうと既に数枚撮っていたみたいで後で見せて、と言うとホソクは元気にはい、と笑ってくれた。


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作者名:ユウたろー | 作成日時:2023年10月29日 23時

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