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・-HS side- ページ11

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今日はAさんが一人で仕事に行く日だった。
帰りは21時くらいになると言っていた。
ヒョンもバイトで22時まで帰ってこない。

もう随分と慣れたその生活に僕は宿題も終えて夕食を作って待っていた。
金曜日で明日は休みだから夜遅くまで待っていても大丈夫な日だ。

最近買ってくれたテレビを見ながらストレッチをする。
最近は僕もヴァンパイアハンターとして二人と戦うためにこうして身体を動かすことを意識し始めた。
いつもどこかに傷を作って帰ってくるAさんの負担を少しでも減らしたかった。

この前のパーティでヒョンにからかわれたけど僕はAの事が好きなんだと思う。
家族としても勿論そうだけど、僕の場合はそうじゃなくて恋の方だ。

優しいAさんの笑顔を見ているとすぐに顔が熱くなって心臓が苦しくなる。
ヒョンの事も好きだし、あたたかい気持ちにはなるけどクラスの女子が好きな子の話をしているのを聞いてしまった時に同じだと思ったんだ。

でもまだその気持ちをAさんに言うつもりは無かった。
もっと大きくなって、守れるようになってからと決めていた。


「もう21時半なのに遅いなぁ」


ストレッチも終えて時計を見てもAさんはまだ帰ってこなかった。
いつもは時間通りかちょっと早めに帰ってくるのに。
ソファを登って遊んでいると鍵の開く音がして玄関が開いて鼻を赤くしてあちこちに雪を少し積もらせたヒョンが帰ってきた。


「ただいまー、早く上がらせて貰えたよ」
「ヒョン!おかえりなさい」
「あれ?Aさん、まだ帰ってないのか?」


マフラーを外しながら部屋を見渡したヒョンが首を傾げた。
僕より先に一緒にハンターをしているヒョンも不思議に思ったんだろう。
帽子や上着も脱いで凍えながら僕の隣に座ったヒョンは腕を組んで冷たくなった手を挟み込むようにしてあたためた。


「何かあったかな」
「大きい怪我とかしてたら…病院に運ばれてるかもしれません、そうしたら急いで向かわないと…!」
「いや、そうだとしても連絡手段がないから家で待ってるのが一番いい。気持ちはわかるけど…帰ってくるまで待とう」


僕の背中をさすって宥めてヒョンはリモコンのボタンを押した。
重苦しいニュースを映していたテレビがバラエティ番組に変わって笑い声がする。


「大丈夫でしょうか…」
「Aさんは強いから。大丈夫だ」


そう言ったヒョンは凄く真剣な表情をしてテレビをじっと見つめていた。


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作者名:ユウたろー | 作成日時:2023年10月29日 23時

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