No surrender【ab mm】 (ページ12)

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ビデオ撮影と体調不良 ① ページ12

・abe eyes

その日は、起きた時から頭が重くて

歩くと身体がふわふわとしていた。

ふわふわ、と言うよりふらふら。

それにさらに気持ち悪さを足したようなそんなの。

考えるほど具合が悪くなってくるから考えるのを止める。

そんなことくらいで仕事に穴を開ける訳には行かないから

大丈夫だとか、俺ならやれる。って自己暗示をかける。

多少の熱では俺はなんてことない。すごい悪寒もするけれど、それでも大丈夫。

そんな日に限って

Youtubeのダンス撮影があって

俺は調子悪いのを誰にも言わずに参加していた。

sk「さー！張り切って撮るぞー！」

と佐久間はニコニコしている。

ふっかは相変わらずふざけだして、ラウがそれを見て笑っている。

照は「そろそろ始めるぞー」

って言っている。

このグループの士気を自分が下げるわけには行かない。

そんな時、そっと近づいてきた人影があった。

mm「…阿部くん」

ab「……なに…」

mm「顔色、紙みたいに白いですけど大丈夫ですか」

本気で俺のことを心配している。

余計なこと言うな。俺は大丈夫なんだから。

そう言い返したかったけど。

ab「何のこと…」

って言うのが精一杯だ。

最悪…

1テイク、2テイクめと

回を重ねる度に正直、体力に限界が来ていて

冷や汗をびっしょり掻きながら俺は通常通りなフリをした。

段々と意識が朦朧としてきた…

まずい…と思った時には既に遅くて

カットの声が掛かったとき、とうとう俺は意識を手放した。

最後に目に入ったもの。

それは、遠くから

上手(かみて)の一番遠い所から、飛んで来た目黒の姿だった。

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